4. 年金の受給額は人それぞれ。平均額はどのくらい?

ここからは、厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、国民年金と厚生年金の平均的な年金月額を、男女全体と男女別にそれぞれ見ていきましょう。

年金の個人差8/9

年金の個人差

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

4.1 厚生年金の平均受給月額

〈全体〉平均年金月額:15万289円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

4.2 国民年金の平均受給月額

〈全体〉平均年金月額:5万9310円

  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

会社員などが受け取る厚生年金(国民年金部分を含む)の受給額は、現役時代の働き方や厚生年金への加入月数、その期間の収入などによって大きな個人差が生じます。

そのため、平均年金月額が2万円に満たない方から25万円を超える方まで、受給額は幅広い範囲に分布しています。

一方で、自営業などで国民年金のみを受給する場合、男女ともに平均年金月額は5万円台です。

満額受給できたとしても、月額は7万608円(2026年度)となります。

国民年金のみを受給するケースでは、厚生年金ほどの個人差は生じにくいものの、老後資金をより手厚く準備する必要があるといえそうです。

5. 2025年年金制度改正のポイント:遺族年金の見直し動向

2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」が目指す大きな目的の一つは、働き方や家族構成の多様化に対応した年金制度を整備することです。

この改正では、いわゆる「106万円の壁」の撤廃に関連する社会保険の加入要件拡大のほか、遺族年金に関する見直しも含まれています。

5.1 遺族厚生年金における男女差の是正に向けた動き

現在の遺族厚生年金の制度では、受給者の性別によって以下のような違いがありました。

現行制度の概要

  • 女性
    • 30歳未満で死別した場合:5年間の有期給付
    • 30歳以上で死別した場合:無期給付
  • 男性
    • 55歳未満で死別した場合:給付なし
    • 55歳以上で死別した場合:60歳から無期給付

このような男女差を解消するための見直しは、男性については2028年4月から、女性については2028年4月から20年かけて段階的に実施される予定です。

改正後の制度概要

  • 男女共通
    • 60歳未満で死別した場合:原則として5年間の有期給付(ただし、配慮が必要な場合は5年目以降も給付を継続)
    • 60歳以上で死別した場合:無期給付(現行制度のまま)

また、今回の改正では「遺族基礎年金」に関する見直しも行われました。

これまでは同一生計の父または母がいて遺族基礎年金を受け取れなかった場合でも、2028年4月からは、こどもが単独で「遺族基礎年金」を受給できるようになります。