2. 【年金分割】今年4月から「2年→5年」請求期限が延長!でも実際の利用は2割にとどまる?
これまで、離婚時の年金分割の請求期限は、原則として「離婚等をした日の翌日から起算して2年以内」と定められていました。しかし、制度の見直しにより、この請求期限が原則「5年以内」へと大幅に延長されました。ただし、この「5年」という新たな期限が適用されるのは、原則として2026年(令和8年)4月1日以後に離婚等をした場合に限られます。同日より前に離婚等をした方については、従来通り「2年以内」のままとなりますので注意が必要です。
また、期限の起算日は離婚した日だけでなく、事実婚関係が解消したと認められる日や、調停等の特例に該当する場合はその確定日となるなど、細かいルールも定められています。
2.1 知っておきたい「年金分割」2つの仕組み。合意分割と3号分割の違い
年金分割には、大きく分けて「合意分割」と「3号分割」の2種類が存在します。
合意分割
婚姻期間中の厚生年金記録が対象です。夫婦間の合意、または裁判手続きによって、最大2分の1の割合まで分割することができます。なお、事実婚関係であっても、一方が他方の被扶養配偶者(第3号被保険者)として認定されていた期間があれば分割の対象となります。
3号分割
平成20年(2008年)4月1日以後の、専業主婦(夫)などの第3号被保険者であった期間のみが対象です。こちらは相手の合意を必要とせず、請求するだけで自動的に厚生年金記録が2分の1ずつ分割されます。
なお、合意分割の請求を行った際、対象期間の中に3号分割の対象期間が含まれている場合は、自動的に3号分割の請求も同時に行われたとみなされます。
2.2 年金分割で「月約3.3万円」増える?実施状況をみる
実際にどのくらい年金分割が行われているのか、令和6年度の統計を見てみましょう。
同年度の離婚件数は18万3840組でしたが、年金分割の実施件数は合計3万5755件(うち離婚分割が2万3383件、3号分割のみが1万2372件)に上りました。離婚件数に対して、実際に年金分割の手続きを行ったのは約2割にとどまります。しかし、年金分割による年金月額の変化を見ると、その影響の大きさが明確に表れています。
離婚分割を行ったケースにおいて、年金を分割した側(第1号改定者)の平均年金月額は、改定前の15万6324円から12万4917円へと、約3万1408円減少しています。
一方、分割を受けた側(第2号改定者)の平均年金月額は、改定前の6万934円から9万4509円へと、3万3575円も増加しました。このデータからも、年金分割が離婚後の経済的な格差を埋めるうえでいかに重要であるかが読み取れます。
※それぞれ異なる対象者の平均値であるため、全体の減少額と増加額は完全には一致しません。
