2. 投資指標を正しく読む(PER・PBR)
投資判断をするうえで、特に重要な指標がPER・PBRです。参考に、イオンの投資指標(2026年5月27日時点)を見てみましょう。
- PER:53.58倍
- PBR:3.21倍
- 配当利回り:1.06%
2.1 PER(株価収益率)
まずPER(株価収益率)についてです。PERは「株価÷1株あたり純利益」で計算され、株価が1株あたり利益の何年分に相当するかを示します。一般的にPER15〜20倍程度が目安とされることが多く、53.58倍は割高に見えます。
ただし小売・流通業界は利益率が低い構造のため、業界としてPERが高めになりやすい傾向があります。また、株主優待の実用的価値が株価に織り込まれているとも解釈できるため、一概に割高とは言えません。
2.2 PBR(株価純資産倍率)
次にPBR(株価純資産倍率)です。PBRは「株価÷1株あたり純資産」で計算され、株価が会社の純資産の何倍かを示します。1倍未満は「解散価値割れ」として割安と判断されることが多く、イオンの3.21倍は純資産の3倍超の価格が付いている状態です。
純粋な割安株ではありませんが、国内最大手の流通グループとしてのブランド力・店舗ネットワーク・安定性がその水準を支えているといえます。
総じてイオン株は「割安投資」の対象ではなく、「日常の買い物コストを下げながら長期保有する」という視点で評価される銘柄です。
著者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。合同会社柴田人事労務オフィス代表社員。
監修者
株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)において、株式市場の動向や個別企業の株価や決算の解説記事を担当しています。読者の皆様にとって、中立で客観的な判断材料となるように、丁寧でわかりやすい情報発信を心がけています。
モニクルリサーチファイナンス部に所属する編集者は、機関投資家として勤務した証券アナリスト、銀行での法人融資やアナリストとしての企業分析やIR・財務コンサルティング、またM&A支援に携わり、経済情報番組「日経CNBC」での解説経験も持つ株式市場の専門家、日経QUICKやブルームバーグ等で長年プロの機関投資家に向けて金融記事を執筆してきた記者経験者、大手銀行のセミナー講師として全国の個人投資家にNISAやiDeCoといった資産形成を伝えてきた2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)資格保有者で構成されています。
小売業班では小売業セクターに特化した銘柄を取り上げます。ファイナンスや企業決算といった専門的な分析のみならず、個人の資産形成に寄り添う視点を兼ね備えていることが私たちの強みです。信頼性の高い情報をもとに、読者の皆様が金融や経済をより身近に感じられるような記事をお届けします。