今月の年金支給日を前に、万が一の事態から家族を守る遺族年金の仕組みについて改めて関心が高まっています。特に、現役世代のセーフティネットとしても重要な役割を果たす遺族年金生活者支援給付金は、生活の安定を支える上で見逃せない制度です。今回は、遺族年金とそれに上乗せされる給付金の最新動向について解説します。
1. 年金生活者支援給付金、「老齢・遺族・障害」基礎年金受給者が対象
年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金で、以下の3種類があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、2カ月に一度、受け取ることができるものです。
2. 遺族年金生活者支援給付金、遺族基礎年金に上乗せ「ひと月分の給付額5620円」
遺族年金生活者支援給付金の支給要件は以下の通りです。
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
※障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く。また、所得とは、収入から経費(給与所得控除等)を差し引いた後の金額です。
2.1 遺族年金生活者支援給付金の給付額
- 月額5620円
なお、子が2人以上受給対象となる場合は、5620円を人数で均等に分けた額をそれぞれに支給します。
3. 遺族年金生活者支援給付金、子どもが3人受給対象「どうやって分ける?」
3人の子が遺族基礎年金を受給している場合の1人あたりの額は、5620円を3で除した金額となり、月額1873円です。
なお、計算の結果、50銭未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときはこれを1円に切り上げます。また、実際の支給額は法令等に基づき変更される場合があります。
4. 遺族年金生活者支援給付金、全国7万件以上「40・50歳代の現役世代」中心の受給状況
令和7年3月時点において、遺族年金生活者支援給付金の受給件数は全国で7万7707件となっています。
<年代区分>
- 20歳未満:5687件
- 20〜29歳:529件
- 30〜39歳:7881件
- 40〜49歳:3万4072件
- 50〜59歳:2万7828件
- 60歳以上:1710件
受給者は40〜49歳および50〜59歳の中高年層に多く、全体の大半を占めています。これは、遺族基礎年金を受給する配偶者の年齢層が子の養育期間と重なりやすいことが背景にあると考えられます。一方で、20歳未満は子自身が受給者となるケースであり、60歳以上の件数は比較的少ない傾向にあります。
いずれの世代においても、遺族年金に上乗せして支給される本給付金は、遺族の生活を支える一助として家計面で大きな意味を持つ制度といえるでしょう。
5. まとめにかえて
遺族年金は、一家の支え手を失った際に家族を守る現役世代のセーフティネットとして機能しています。さらに所得などの要件を満たすことで遺族年金生活者支援給付金が上乗せされ、家計の負担を軽減することが可能です。
直近の年金支給日を機に、こうした公的保障の仕組みや支給条件を今一度確認しておくことが大切です。万が一の事態を想定し、利用できる支援制度を正確に把握しておくことは、安心できる生活設計の基盤となります。