2. 市場の期待に応える「対話力」と強気の業績見通し
株式投資において、過去の業績と同じくらい重要なのが「未来の見通し」です。三菱電機が市場から評価されている理由は、次期の業績予想の出し方にも表れています。
2.1 2026年度も続く増益シナリオ
三菱電機が発表した2026年度(2027年3月期)の会社予想は、非常に強気な内容となっています。
売上高は6兆2,000億円(前期比+5.2%)、調整後営業利益は5,900億円(同+17.7%)、そして当期純利益は4,750億円(同+16.5%)を見込んでいます。
前年度に25.8%もの増益を達成した上で、さらに翌年も16.5%の利益成長を計画している点について、泉田氏も高く評価しています。
「特に当期純利益が16.5%というところはすごい注目に値するかなと思ってて。もちろん過去も(中略)26年3月期も25.8%増ときてるんだけども、引き続き2桁台の増益を目指してるということになりますね」
過度に保守的な(低めの)予想を出して市場を失望させることなく、自信を持って2桁増益の計画を提示したことが、株価のさらなる上昇期待を支えています。
2.2 コンセンサスと合致する会社予想の裏側
ここで投資家として注目すべきポイントが、「アナリストコンセンサス」との整合性です。コンセンサスとは、証券会社などのプロのアナリストたちが予測する業績の平均値のことです。市場の「期待値」とも言い換えられます。
泉田氏が確認したデータによると、アナリストのコンセンサス予想(税引前利益)が6,430億円であったのに対し、三菱電機の会社予想は6,400億円と、ほぼ完全に一致していました。
「この三菱電機って会社、資本市場、アナリストとのコミュニケーションがすごい上手なんで、あんまりずれない予想をしっかり出してきたなっていう感じですね」
会社が発表する予想が市場の期待値(コンセンサス)を大きく下回ると、失望売りを招き株価は急落します。逆に、期待値と見事にすり合わせができているということは、同社が株式市場との対話を適切に行い、自社の状況を正しく市場に理解させている証拠と言えます。
このIR(投資家向け広報)能力の高さが、株価の安定感を生み出しているのです。
