インターネットが普及し、誰でもネットへの投稿などに対して自由に発言できるようになった現代。ネットが使えるからこそ、いろいろな情報を知ることができたり、お金を稼ぐ手段が増えたりと、便利になったと感じることは山のようにあります。

しかし一方で、顔が見えないのをいいことに、きついコメントを発する人が増えているのも事実。今回は、育児をするうえで参考にする機会も多い“ママのお悩み系記事”に対してのコメントにスポットをあてて、考えていきたいと思います。

目にする機会の多い「ママのお悩み系記事」

小さな子どもを抱えるママたちの中には、自分と同じような立場のママから寄せられたお悩み系記事をよく見かけるという人も多いことでしょう。赤ちゃんが誕生してから手探り状態で育児をしてきたママたちにとって、ネットは“お助けマン”のような存在でもあります。

親世代が子育てをしていた頃とは違い、知りたいことはすぐにネットで調べられるのが今のママたち。ご近所付き合いの機会が減った現代では、ネットで育児に関する悩みを打ち明ける人も少なくありません。

子どもの定期健診などへ行くと、保健師さんなどから“子育ての悩みはママ一人で抱え込まないで”というような言葉をよく投げかけられます。ネット上でも、育児の悩みを相談できる場があったり、ママたちが抱える悩みをテーマにしたニュースがアップされたり。ママたちが孤立しないような工夫がなされているように、見えなくもありません。

しかし、ママたちが抱える悩みに対して辛辣なコメントを並べる人が多いのも事実。“炎上しやすい”というのも、ママのお悩み系記事をよく見かける理由なのかもしれません。

目を疑った「産まなければいい」という言葉

子どものイヤイヤ期や虐待、夫婦間での家事・育児分担など、子どもがいる家庭で起こりうる問題をテーマにしたネットの記事は、山のように見かけます。“イクメン”という言葉が流行し、男性が家事・育児に参加する機会が増えたとはいえ、まだまだ子育ての負担を女性が多く担っているケースがほとんどではないでしょうか。

世間を見渡しても、“家事・育児は女性がするもの”という固定概念の抜けていない人が多いように感じます。もちろん、専業主婦であったりパートであったりと、子どもと自宅にいる時間が多い場合は、家事・育児の負担が増えてしまうことは仕方がないかもしれません。しかし、家事・育児は女性がするものという固定概念は、ときに恐ろしく曲がった意見を発する材料となってしまうこともあるのです。

先日、筆者が見つけた育児のお悩み系記事に対して、目を疑うようなコメントが寄せられていました。記事の内容は、“子どもがイヤイヤ期に差し掛かかって一日中泣いており、毎日朝を迎えるのがつらい…”というような内容だったかと思います。この記事にはコメント欄があり、記事を読んだ人たちが自由に発言できる場が設けられていました。“みんなどんなふうに対処しているんだろう”という気持ちからなんとなくコメント欄を見てみたのですが、そこにあったのが「それなら産まなければいい」という言葉。「そんなに育児がつらいんだったら、最初から子どもなんて産まなければいい。好きで産んだのに、文句言うな」というコメントでした。

私はこのコメントを見たとき、なんとも言えない気持ちに襲われたことを覚えています。同時に、このコメントをした人は面と向かってこの悩みを打ち明けられたときにも、同じように「産まなければいい」と発言するのかなという疑問も湧き上がってきました。

極端な意見に追い詰められてしまうママもいる