2. 2026年3月期通期は増収ながら減益

次に、同社が5月1日に発表した最新決算をおさらいしてみましょう。

詳細は以下の通りです。

1/2

三菱商事の決算ハイライト

出所:決算短信より作成

売上高にあたる収益は微増を維持したものの、一時的要因や市況変動の影響を受け、各段階利益は前期比で減少しました。

最終利益の減益要因は、前年度に計上したローソンの持分法適用会社化に伴う再評価益の剥落や、豪州原料炭事業における前年度の炭鉱売却益の反動といった一過性利益の消失が大きく影響しています。一方、銅事業における過年度減損損失の一部戻入れがあったほか、持分法適用会社である千代田化工建設の採算改善などが利益を支えました。

2.1 2027年3月期の業績予想および配当の見通し

2027年3月期の最終利益は37.4%増の1兆1,000億円と想定しています。

株主還元については、前期の年間配当金110.00円(前期比10.00円増)に対し、今期は1株当たり125.00円(当期比15.00円増)へさらなる増配を行う方針を表明しました。

自己株式の取得も機動的に継続するとしており、積極的な還元姿勢が市場に好感されています 。

2.2 事業等のリスク

主要なリスクは世界マクロ経済環境の変化による商品市況などへの影響です。特に原油やLNG、銅・原料炭などの市況変動は業績に重大な影響を及ぼします。また、中国経済の先行き、米中対立、中東情勢などの地政学リスクのほか 、脱炭素社会への移行に伴うカーボンプライシングや規制強化といった気候変動対応コストの増加が中長期的な操業・設備コストの上昇や事業採算性の悪化をもたらす懸念があります。