2025年(令和7年)の国勢調査速報によると、日本の総人口は1億2305万人となり前回調査から約310万人(2.5%)減少しました。減少幅が拡大する一方で世帯数は増加し、1世帯当たりの人員は2.15人にまで減少しています。
このような世帯の小規模化や高齢者の増加は、シニア世代の生活スタイルにも大きな変化をもたらしています。来月は年金支給日を迎えますが、家族構成が変化する現代において、いまのシニア世代は平均してどれくらいの年金を受け取り、どのように生活を成り立たせているのでしょうか。今回は、60歳代~90歳代以上までのシニア世代が受給する年金の平均について解説します。
1. 厚生年金・国民年金、「2階建て構造」のしくみを理解
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つから構成されているため、下の体系図のような「2階建て」構造と呼ばれています。
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出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
国民年金制度の加入対象は、原則として国内居住者のうち「20歳以上60歳未満」のすべての人々です。
年金保険料は全国一律で、年度ごとに見直しが実施されます(※1)。40年間保険料を漏れなく納めた人は、65歳以降に満額の老齢基礎年金(※2)を受給できるようになります。
※1 国民年金保険料:2026年度月額は1万7920円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度月額は7万608円
1.2 2階部分:《厚生年金》
厚生年金制度に加入するのは、会社員や公務員、さらに特定適用事業所(※3)で働くパートなど、一定の要件をクリアした人で、国民年金と併せて加入する制度となっています。
- 年金保険料(※4):給与水準により決定する(上限あり)
- 老後の受給額:加入した期間や支払った保険料によって個人ごとにばらつきが出る
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
「2階建て構造」で説明される日本の公的年金制度は、1階が「国民年金」、2階が「厚生年金」となっていますが、加入対象となる人や保険料の決まり方、将来受給できる年金額などに大きな差があります。
1.3 2026年度の年金改定
公的年金は、賃金や物価の動向を考慮して年度ベースで年金額を更新する制度となっています。
2026年度の年金額は、昨年度より国民年金が+1.9%、厚生年金が+2.0%の増額改定です。国民年金(老齢基礎年金)は満額で月額7万608円(1人につき)、厚生年金はモデル世帯(会社員の夫と国民年金のみの妻)で月額23万7279 円(夫婦2人の合計)となっています。
もっとも、実際に受給できる年金額は、働いていたときの年金加入履歴によって個人ごとに違いが生じます。
2025年の国勢調査結果が示すように、日本の総人口が減少する一方で1世帯当たりの人員が減少し「世帯の小規模化」が進む現代においては、自身の働き方によって将来の受給額が変わる年金制度の仕組みを正しく理解し、個々のライフスタイルに合わせた老後の生活設計を立てていくことが一層重要になるでしょう。
