1.2 営業担当者との相性で判断が揺れるケース「打ち合わせは10〜15回程度が一般的」
見学会で見たA社の家に強く惹かれたものの、打ち合わせを進めるうちに判断が揺れたご夫婦がいました。
外観や内装の雰囲気は理想に近かった一方で、並行して相談していたB社の担当者は、質問への返答が的確で、要望の整理や提案の組み立て方にも安心感があったそうです。
悩んだ末、このご夫婦はB社を選びました。
デザイン面ではA社に魅力を感じていたものの、「家づくりは担当者と一緒に細かく形にしていくものだからこそ、信頼して話せる相手を優先したい」と考えたためです。
実際、家づくりは1回の商談だけで完結するものではありません。
パナソニック ホームズの記事では、注文住宅の打ち合わせは10〜15回程度が一般的とされています。
私が住宅相談窓口で担当していた際も、契約前の商談が5〜6回ほどになるケースがありました。
1回あたりの時間はおおむね1時間で、長くても2時間以内に収まることが多かったです。
何度も相談を重ねるからこそ、質問しやすいか、要望を整理してくれるか、不安をそのまま話せるかは、ハウスメーカー選びで軽視できないポイントです。
1.3 夫婦で重視するポイントが違っていたケース「安心か?快適か?」
ご主人様はRCや鉄骨のような構造面の安心感を重視し、奥様は間取り設計、木造の快適性や断熱性を重視していたため、当初は意見が分かれていました。
机上で工法や性能を比べている間は、どちらの考えもなかなか変わりませんでした。
しかし、紹介した木造住宅のモデルハウスを訪れたあと、ご主人様の受け止め方に変化がありました。
「木の質感や室内環境の違いを体感できた」と話されていたのが印象的で、体感を通じて木造住宅の良さを実感されたようでした。
そのうえで、構造や施工精度についての説明にも納得できたことで、ご主人様も木造を十分に検討できる選択肢として受け止められるようになりました。
夫婦で重視するポイントが違う場合でも、机上の比較だけで悩むのではなく、実際の住まいを体感することで判断軸がそろっていくことがあります。
このように、住まいの快適性はカタログ上の工法や性能だけでなく、実際に体感して初めて分かる部分もあります。
とくに冬場のあたたかさは、室温だけで判断できません。
たとえば室温が同じ20℃でも、断熱性の低い家では、壁や床の表面温度が12.7℃程度まで下がることがあります。
一方で、断熱性の高い家では16.6℃程度を保ちやすく、約4℃の差が生まれます。
条件によって差はありますが、HEAT20では、断熱性能によって壁や床の表面温度に差が生じ、同じ室温でも体感温度に違いが出る例が紹介されています。
そのため、家の断熱性能は快適性を支える重要な要素です。
実際、快適性や断熱性能を重視した結果、当初より予算が上がるケースもあります。
2016年のSUUMOの調査では、注文住宅で当初予算を超えた人も一定数おり、平均で243万円ほど上振れしたというデータもあります。

