3. 年収アップだけで判断するのは要注意。管理職の責任とキャリア選択
部長や課長になれば月収・年収が大きく増えるのは確かですが、それに伴う責任や負荷も大きくなります。SNSや新聞報道で「管理職は罰ゲーム」と語られるのには、いくつかの背景があります。
- 部下の人事評価・育成・メンタルケアなどマネジメント業務の増加
- 経営層と現場の板挟みによるストレス
- 残業代がつかない管理監督者扱いで時間あたり時給が下がるケース
- ハラスメント防止やコンプライアンス対応の責任拡大
このため、近年は「マネジメントよりスペシャリストとしてのキャリアを選びたい」という人も増えています。スペシャリスト職を専門コースとして用意する企業も多くなっており、専門スキルで高年収を実現する道も選択肢の一つです。
また、収入を増やす方法は役職に就くことだけではありません。本業でのスキルアップによる昇給や、勤務先の規定で許されていれば副業の活用、あるいは新NISA・iDeCoを使った資産運用なども現実的な手段です。「役職=給与アップの唯一の道」と考えず、自分の適性や価値観に合ったキャリアプランを描くことが大切です。
4. 年収だけでなく「自分に合った働き方」を見極めよう
2025年の調査では、部長級の平均年収は約1017万円、課長級は約847万円、係長級は約639万円と、いずれも給与所得者全体の平均478万円を大きく上回りました。中間管理職への昇進は、確かに収入面で大きな魅力があります。
ただし、増えた給与の裏側には、責任の拡大や時間の制約、ハラスメントリスクへの対応など、見えづらい負担も存在します。「上司の年収」という外形的な数字だけでなく、その仕事内容や働き方まで観察したうえで、自分のキャリアを考えることが重要です。
新年度の節目に、自分の市場価値や望むライフスタイルを見直し、納得感のあるキャリア・マネープランを設計してみてください。
参考資料
苛原 寛