3. 稼いだ現金を惜しみなく還元するキャッシュフローの好循環

さらに泉田氏は、オービックが生み出した現金をどのように使っているか、「キャッシュフロー計算書」に注目します。

企業が1年間の営業活動でどれだけの現金を稼いだかを示す「営業活動によるキャッシュフロー」は、737億円に上ります。

ここから事業の維持・成長に必要な投資(投資活動によるキャッシュフロー、マイナス約20億円)を差し引いた、企業が自由に使えるお金である「フリーキャッシュフロー」は、約717億円にもなります。

では、オービックはこの莫大なフリーキャッシュフローをどうしているのでしょうか。

フリーキャッシュフローの使い道3/4

フリーキャッシュフローの使い道

泉田氏の分析によれば、オービックは配当金の支払いに330億円、自社株買い(自社の株式を市場から買い戻すこと)に314億円を使用しています。

つまり、財務活動として合計約644億円を株主への還元に充てているのです。これは、自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー約717億円)の約9割を株主に還元している計算になります。

配当に関しても非常に積極的です。2026年3月期の実績で1株あたり84円だった配当を、2027年3月期には94円へと増配する予想を発表しています。

また、当期純利益のうちどれだけを配当に回すかを示す「配当性向」は49.7%に達する見込みです。一般的な企業の配当性向の目安が30%程度とされる中、利益のほぼ半分を配当として還元する姿勢を明確にしています。

泉田氏はこの完璧とも言える財務と還元のバランスについて、「儲かっている、純利も多いし、それで配当性向50%近くで自社株買いしてるのにキャッシュリッチ。これもあんまりアナリストが文句言えない銘柄なんですよ」と高く評価しています。

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