1. 「SaaSの死」からの急回復と、好調な決算ハイライト
インタビュワーからオービックの株価チャートにおける直近の急落について疑問が投げかけられると、泉田氏はIT業界全体を覆ったトレンドについて言及します。
近年、ソフトウェアをインターネット経由で提供する「SaaS(Software as a Service)」企業の株価が大きく調整する局面がありました。
AI(人工知能)の急速な進化により、従来のソフトウェアビジネスの優位性が揺らぐのではないかという懸念が広がったためです。
泉田氏はこの現象について、「いわゆる『SaaSの死』ってみんな言うんだけど、僕からするといつも『アンソロピックショック』なんですけどね」と表現し、AI開発企業の台頭が市場に与えた衝撃の大きさを指摘します。
オービックもその影響を受けて一時的に株価が下落しましたが、その後、急回復を見せています。その原動力となったのが、同社が発表した非常に力強い決算でした。
泉田氏が決算内容を読み解くと、2026年3月期の通期決算は、売上高が1,352億円(前期比11.5%増)、本業の儲けを示す営業利益が888億円(同13.3%増)、最終的な利益である親会社株主帰属当期純利益が751億円(同16.4%増)と、見事な2桁の増収増益を達成しています。
特に注目すべきは、売上高の伸び率(11.5%増)よりも営業利益の伸び率(13.3%増)のほうが高い点です。
これは、売上が増える以上に利益が手元に残りやすい、非常に高収益な体質になっていることを示しています。実際に売上高営業利益率は65.7%という驚異的な水準に達しており、この好業績が株価を再び押し上げる強力なエンジンとなりました。
