仲間やグループの輪に入るため、クラスメートとの良好な関係を構築するため…と、相手に合わせたり、自分の意志よりも相手の意思を尊重したりする。これは女子あるあると言っても過言ではないかもしれません。

まだまだ幼い子どもたちにとって、クラスメートやお友達が社会のすべて。その社会からはみ出してしまい、ひとりになってしまうのはとても恐ろしいこと。

大人になり、真の友情の意味を理解することができ、また友人と信頼関係を構築できたなら「友達だからこそ自分の意思をしっかりと述べ、イヤなことはイヤ、と言っても大丈夫」
と思えるでしょうが、まだまだ友達についての定義が曖昧な子どもたちは、「NO」と言うことで相手が気分を害し、友達関係にヒビが入ってしまったら…と考えてしまいがち。

確かに大人でも、友達の誘いや提案を断るのは勇気がいる場合がありますものね。子どもにとってはとてつもなく勇気のいる行為なのでしょう。それなのに、「友達だったらNOと言っても大丈夫」とアドバイスするのは乱暴だったな…と筆者は反省しました。

「したくないことは、したくない、と言っていいんだよ。我慢して付き合わなきゃいけないってことはないんだよ」ということを教えると同時に、「ひとりでお絵かきしたかったら、ひとりでお絵かきしてもいいんだよ。ひとりでいるってことは寂しいってことじゃないよ」ということを娘に伝えた筆者。

「確かに、お友達に、『NO』を伝えるのは勇気がいること。でも、それはこれからの人生で必要な勇気。頑張って、『今日は私、ドッジじゃなくてお絵かきしたい気分なの』って正直に話してごらん」というと、娘は納得したようでした。

合わない友達と一緒にいるくらいなら、ひとりで過ごす方を選べるようになるのは、きっとこれから。色々な人間関係を経験してからの話なのでしょう。
あまり親が介入しすぎるのはよくないとは思いますが、どうすればいいか、親がちょっぴり手助けしてあげるのはアリなのかな、と筆者は考えた次第です。

優しくて強い子であってほしい

親の理想は、周りの人に愛され、いじめなんて皆無の世界で過ごし、友達と上手く付き合いながらもひとりの時間も充実できる子。我が子が人間関係で胸を痛めたり、頭を悩ませたりしているのを見るのは心苦しいものです。

ときに親にしてみれば、「そんなこと、簡単に解決できるのに…」という問題で、子どもたちは嘆き悲しんでいることがあります。しかし、私たち大人が解決できるのは、経験値があるからこそ。

ほんのちょっぴり親からサポートしてもらいながら、子どもたちは色々な経験をして、人間関係のなんたるかを学んでいくのでしょう。

大中 千景