カレンダーも5月を迎え、今年も3分の1が過ぎました。新NISA制度がスタートしてから一定の時間が経過し、ご自身の積立状況を眺めて「今の銘柄のままでいいのだろうか」と、改めて選択の是非を考えている方も多い時期ではないでしょうか。

新NISAで積立投資を始める際、代表的な選択肢として挙げられるのが「S&P500」と「オルカン(全世界株式)」です。

どちらも低コストで運用できるインデックスファンドですが、投資対象の範囲に違いがあります。

今回は、S&P500とオルカンの特徴を整理しながら、月5万円を3年間積み立てた場合の試算と、20年間積み立てた場合のシミュレーションを紹介します。

1. 【S&P500とオルカン】月5万円を3年間積み立てた場合の試算

実際に積立を続けた場合、どの程度の差が出るのか、月5万円を3年間積み立てたケースを見ていきましょう。

今回は、元本180万円(5万円×36か月)を積み立てた場合のシミュレーション結果を参考にしています。

シミュレーション上の想定資産額と運用益は、以下の通りです。

  • S&P500:237万7613円(運用益57万7613円)
  • オルカン:234万4286円(運用益54万4286円)

結果を見ると、3年間では大きな差はみられません。

S&P500とオルカンの運用益の差は約3万3000円となっており、短期的な運用では投資先の違いによる差が限定的になる場合もあると考えられます。

なお、シミュレーション結果は設定条件や運用環境によって変動するため、将来の運用成果を保証するものではありません。

2. 【新NISA】S&P500とオルカンの違いを整理

両者の違いは、「米国に集中するか」「世界に分散するか」といった点にあります。

どちらが良いかというよりも、米国の成長性を重視するのか、それとも地域分散による安定性を重視するのかによって、選び方が変わります。

ここでは、S&P500とオルカンの特徴をみていきましょう。

2.1 【S&P500】米国の主要企業約500社に投資する指数

S&P500は、米国の主要企業約500社に投資する商品です。

アメリカ経済をけん引する企業群で構成されており、米国の成長を取り込みやすい特徴があります。

時価総額の大きい企業の影響を受けやすく、テクノロジー企業などの動向が全体の値動きに反映されやすい点も特徴です。

2.2 【オルカン】全世界の株式に分散投資できる商品

オルカンは日本を含む先進国や新興国など、世界中の株式に分散投資する商品です。

1本で幅広い地域に投資できるため、特定の国に偏りにくい設計といえます。

ただし、時価総額ベースで構成されているため、現時点では米国株の比率が高く、実質的には米国市場の影響も受けやすい点には注意が必要です。

3. 【新NISAで積立投資】20年積み立てた場合のシミュレーション

短期では差が限定的でも、投資期間が長くなるほど、利回りの差が資産額に影響しやすくなります。

たとえば、月5万円の積立を20年間続け、年率5%で運用できた場合、元本1200万円に対して最終的な資産は2029万円になる試算です。

20年積み立てた場合のシミュレーション1/1

20年積み立てた場合のシミュレーション

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

ただし、実際の運用成果は市場環境によって変動するため、S&P500やオルカンでも将来の利回りが一定になるわけではありません。

ここで影響が大きいのは、どの商品を選ぶかだけではなく、積立を継続する期間です。

年率のわずかな違いでも、複利によって長期では差が広がる可能性がある一方で、長期投資では相場が下落する局面もあり、短期間では元本割れするケースもあります。

価格変動に一喜一憂して積立を途中でやめてしまうと、複利の効果を十分に得られない場合があります。

積立投資では、「短期的な値動きを追う」よりも、「時間をかけて資産形成を続ける」といった視点も大切です。

4. まとめ

選び方の軸としては、以下のように整理できます。

  • 米国の成長を中心に取り込みたい → S&P500
  • 地域分散を重視して幅広く投資したい → オルカン

迷う場合は、値動きのブレを含めて長く保有しやすいと感じる方を選ぶのも一つの考え方です。

参考資料

円城 美由紀