シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手広告代理店である電通です。
電通の平均年間給与はいくらか
電通(提出会社)の2018年12月31日時点での平均年間給与は1179.7万円と1100万円を超えています。また、従業員の平均年齢は40.7歳で若干ですが40歳を上回っています。平均勤続年数は13.8年となっています。
電通の従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年12月31日時点で6921名。単体で6000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- 国内事業:6921名
また、連結の従業員数は6万2608名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 国内事業:1万8539名
- 海外事業:4万4069名
過去5年の業績動向
電通(連結)の業績推移についても見ておきましょう。
まず、売上高ですが、過去5年をみると増収傾向にあります。2015年3月期に4兆6423億円であった水準が、2018年12月期には5兆3572億円となっています。なお、決算期の変更により2015年12月期は9ヶ月間となっており、2015年12月期の売上高は4兆5139億円でした。
また、営業利益については、2015年3月期の1323億円から2016年12月期の1376億円まで増益傾向にありましたが、その後は減益が続いており、2018年12月期には1116億円にまで減少しています。なお、9ヶ月間の2015年12月期の営業利益は1072億円でした。
投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社の所有者に帰属する当期利益は、2015年3月期の798億円から2017年12月期の1054億円まで増益傾向にありましたが、2018年12月期は903億円となっています。なお、9ヶ月間の2015年12月期は726億円でした。
※電通の2017年12月31日時点での給与についてはこちら
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部