6月は夏のボーナス支給や昇給後の給与が反映される時期でもあり、自身の収入水準について改めて考える方が増える季節です。物価上昇が続くなか、「自分の年収は世間と比べてどのくらいなのか」「今後の収入は伸びていくのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
日本の平均年収は近年上昇傾向にあるものの、長期的に見ると過去30年間にわたり400万円台で推移してきた背景があります。
また、平均年収は性別や業種によって差が大きく、同じ「会社員」であっても働く業界によって収入水準が異なるのが実情です。
とくに近年は、一部業種で平均年収の伸びが目立つ一方、差が広がっている側面も見られます。
そこで本記事では、日本全体の平均年収の現状を確認しながら、年収400万円以上の人の割合、業界別の平均年収ランキング、さらに年収が上昇した「金融」「メーカー」の実態について詳しく見ていきます。
1. 日本の平均年収は478万円に!過去30年間は「400万円台」で推移
まずは、日本全体の平均年収について、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の結果を確認していきましょう。
1.1 日本の平均年収の現状
- 全体:478万円
- 男性:587万円
- 女性:333万円
給与所得者全体の平均年収は478万円となっています。
また、30年前における平均給与及び対前年伸び率の推移は以下のとおりです。
過去30年間では、1997年の467万円が比較的高い水準となりましたが、その後も大きく伸びず、全体として400万円台で推移しています。
2. 年収400万円以上の人はどのくらいいる?
では、日本で年収400万円以上を得ている人の割合はどれくらいなのでしょうか。
年収一覧表

2.1 「年収400万円以上」の割合推移
- 令和2年分:45.3%
- 令和3年分:46.9%
- 令和4年分:48.8%
- 令和5年分:49.2%
- 令和6年分:52.0%
令和6年分では、年収400万円以上の人は52.0%となり、半数を超えています。
また、過去5年間の推移を見ると、年収400万円以上の割合は増加傾向にあることがわかります。
一方、男女別で見ると以下の結果となっています。
- 男性:約67.8%
- 女性:約31.0%
男性ではおよそ3分の2が年収400万円以上となる一方、女性は約3分の1にとどまっています。
また、人数が最も多い年収帯を見ると、男性は「400万円超〜500万円以下(16.9%)」、女性は「200万円超〜300万円以下(19.0%)」です。
男女間の年収差には、賃金格差やライフイベントによる働き方の違いなどが影響していると考えられます。
3. 【業界別】平均年収ランキングを確認
続いて、dodaが公表している「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」を参考に、業界別の平均年収を見ていきます。
3.1 業種別の平均年収ランキングをチェック
- 1位 金融:全体 500万円 / 男性 615万円 / 女性 419万円
- 2位 メーカー:全体 492万円 / 男性 540万円 / 女性 399万円
- 3位 総合商社:全体 479万円 / 男性 555万円 / 女性 388万円
- 4位 IT/通信:全体 466万円 / 男性 498万円 / 女性 416万円
- 5位 建設/プラント/不動産:全体 447万円 / 男性 490万円 / 女性 379万円
- 6位 専門商社:全体 444万円 / 男性 493万円 / 女性 382万円
- 7位 インターネット/広告/メディア:全体 440万円 / 男性 493万円 / 女性 396万円
- 8位 メディカル:全体 416万円 / 男性 514万円 / 女性 367万円
- 9位 サービス:全体 390万円 / 男性 439万円 / 女性 349万円
- 10位 小売/外食:全体 368万円 / 男性 413万円 / 女性 331万円
ランキングを見ると、業種によって平均年収に差があることが分かります。
dodaによると、全10業種のうち、金融・メーカー・総合商社を含む8業種で、過去9年間の中でも高い平均年収となっています。
とくに「メーカー」は前年より11万円増、「金融」は9万円増となり、上昇幅が比較的大きい結果でした。
将来的にどの業種が伸びるかは見通しづらい部分もありますが、参考の一つになるでしょう。
4. 平均年収が上昇した「金融」「メーカー」を詳しく見る
次に、前年より平均年収が上昇した「金融」と「メーカー」について、小分類ごとの平均年収を確認します。
4.1 金融(小分類)を見る
- 投信/投資顧問:全体 814万円 / 男性 932万円 / 女性 667万円
- ベンチャーキャピタル/プライベートエクイティ:全体 724万円 / 男性 805万円 / 女性 600万円
- 証券会社:全体 609万円 / 男性 680万円 / 女性 532万円
- 信託銀行:全体 607万円 / 男性 818万円 / 女性 486万円
- 都市銀行:全体 567万円 / 男性 712万円 / 女性 471万円
- リース:全体 546万円 / 男性 641万円 / 女性 439万円
- 損害保険:全体 524万円 / 男性 673万円 / 女性 446万円
- クレジット/信販:全体 506万円 / 男性 613万円 / 女性 424万円
- 消費者金融:全体 504万円 / 男性 565万円 / 女性 446万円
- 住宅ローン:全体 503万円 / 男性 570万円 / 女性 453万円
- 地方銀行:全体 473万円 / 男性 553万円 / 女性 395万円
- 生命保険:全体 461万円 / 男性 665万円 / 女性 379万円
- 保険代理店:全体 425万円 / 男性 496万円 / 女性 378万円
- 信用金庫/組合:全体 412万円 / 男性 465万円 / 女性 363万円
4.2 メーカー(小分類)を見る
- たばこ:全体 759万円 / 男性 802万円 / 女性 576万円
- トイレタリー:全体 608万円 / 男性 685万円 / 女性 521万円
- 総合電機メーカー:全体 593万円 / 男性 642万円 / 女性 455万円
- 自動車/輸送機器メーカー:全体 523万円 / 男性 554万円 / 女性 417万円
- 電子/電気部品メーカー:全体 517万円 / 男性 561万円 / 女性 411万円
- 化学メーカー:全体 509万円 / 男性 557万円 / 女性 416万円
- 機械/電気機器メーカー:全体 507万円 / 男性 540万円 / 女性 414万円
- 鉄鋼/金属メーカー:全体 489万円 / 男性 531万円 / 女性 382万円
- ゲーム/アミューズメント機器メーカー:全体 481万円 / 男性 515万円 / 女性 420万円
- スポーツ/アウトドア用品:全体 475万円 / 男性 503万円 / 女性 425万円
- 香料:全体 458万円 / 男性 537万円 / 女性 397万円
- 住宅設備/建材メーカー:全体 456万円 / 男性 505万円 / 女性 381万円
- 食品/飲料/化粧品メーカー:全体 449万円 / 男性 510万円 / 女性 389万円
- 紙/パルプメーカー:全体 447万円 / 男性 485万円 / 女性 368万円
- 玩具:全体 440万円 / 男性 471万円 / 女性 417万円
- 試薬メーカー/受託合成/受託分析:全体 435万円 / 男性 484万円 / 女性 386万円
- 日用品/文具/オフィス用品メーカー:全体 423万円 / 男性 497万円 / 女性 369万円
- 繊維メーカー:全体 407万円 / 男性 485万円 / 女性 357万円
- 受託加工業(各種加工/表面処理):全体 406万円 / 男性 423万円 / 女性 335万円
- 家具/インテリア/生活雑貨:全体 406万円 / 男性 460万円 / 女性 363万円
- ペット関連:全体 398万円 / 男性 472万円 / 女性 344万円
小分類で見ても、業界によって平均年収に大きな差が見られます。
金融分野では、「投信/投資顧問」や「ベンチャーキャピタル/プライベートエクイティ」など、投資関連が高水準となっています。
また、メーカー分野では「たばこ」「トイレタリー」「総合電機メーカー」などが上位に入りました。
5. 年収アップを目指すなら?収入が伸びやすい業界の特徴
ここまで見てきたように、平均年収は業界によって差があり、とくに「金融」や「メーカー」の一部では比較的高い水準となっています。
では、収入が伸びやすい業界には、どのような特徴があるのでしょうか。
一つ目は、「専門性が求められる」点です。
金融分野では投資や資産運用、メーカーでは技術開発や専門知識など、高度なスキルが必要とされる傾向があります。
専門性が高い仕事ほど、人材需要が高まりやすく、結果として年収水準にも反映されやすいと考えられます。
二つ目は、「成長市場に関わっている」ことです。
ITや通信、先端技術を扱うメーカーなど、今後の需要拡大が期待される業界では、人材確保のために給与水準が上がるケースもあります。
また、同じ業界であっても、職種や経験、スキルによって年収には差が生じます。
そのため、「業界ランキングが高いから安心」と考えるのではなく、自分の強みを活かせる分野や、将来的に需要が見込まれるスキルを身につける視点も大切です。
収入は短期間で大きく変わるものではありませんが、業界選びやスキルの積み重ねが、将来的な年収アップにつながる可能性があるでしょう。
6. 平均年収の現状から見える「収入差」。業界選びも将来設計のヒントに
本記事では、日本全体の平均年収の現状を確認しながら、年収400万円以上の人の割合、業界別の平均年収ランキング、さらに年収が上昇した「金融」「メーカー」の実態について解説しました。
将来的な業界動向を正確に予測することは難しいものの、年収データはキャリア選択や転職を考える際の参考材料の一つになります。
収入だけで判断するのではなく、働き方や将来性も踏まえながら、自分に合った選択を考えていくことが大切です。


