3. 高PERを正当化する「成長期間」というプロの視点

業績好調な良品計画ですが、株式投資の掲示板などでは「小売業にしてはPER(株価収益率)が高すぎるのではないか」という疑問の声も聞かれます。

インタビュワーからこの点について水を向けられると、泉田氏は機関投資家ならではの深い視点で、PERのメカニズムを解説しました。

利益成長の比較(短期5年 vs 長期10年以上)3/4

利益成長の比較(短期5年 vs 長期10年以上)

出所:イズミダイズムの解説を基に作成

「PERは利益成長率が高い会社には高くつきがちなんですよね。ここはもう見た目で変化率を確認すれば分かるところなんだけど、もう1個すごい大事なポイントがあるんですよ。それは成長する期間です」

泉田氏によれば、証券会社のアナリストが企業の収益を予想する際、一般的には「今後5年間は成長するだろう」という前提でモデルを作成することが多いそうです。そして5年目以降は成長が鈍化し、横ばいになると仮定します。

しかし、良品計画のように海外市場(特に東アジアや欧米など)でまだまだ店舗を拡大できるポテンシャルを秘めている企業の場合、投資家の見方は異なります。

「PERが高い企業っていうのは、5年とかじゃなくてもっと10年、15年みたいなスパンで成長するよねという期待がされている」

つまり、成長率の高さだけでなく「成長が長く続く」と期待されているからこそ、将来稼ぎ出す利益の総額が大きくなり、現在の利益水準から計算されるPERが高くても正当化されるというわけです。

ただし、泉田氏はこの高い期待値が孕むリスクについても警鐘を鳴らします。

「こういった銘柄で成長余地ないぞとか、業績が期待している時期で崩れてくると、期待値が大きくずれたっていうことで株価が大きく売られやすい」

高PER銘柄は、市場からの高い期待がすでに株価に織り込まれているため、成長シナリオに少しでも狂いが生じると、下落時の幅も大きくなるという点には注意が必要です。

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