2. 営業キャッシュフローが超大幅増!3つのCFから読み解く財務の裏側

企業の経営状態を正確に把握するためには、損益計算書(売上や利益)だけでなく、実際のお金の出入りを示す「キャッシュフロー(CF)計算書」の確認が不可欠です。

泉田氏も動画の中盤でこの点に注目し、良品計画の財務体質を詳細に分析しました。

営業CFとフリーCFの劇的な改善2/4

営業CFとフリーCFの劇的な改善

出所:良品計画「2026年8月期第2四半期(中間期)決算短信」(2026年4月10日)を基にイズミダイズム作成

2.1 営業活動によるキャッシュフロー:440億円の獲得

本業でどれだけ現金を生み出したかを示す営業CFは、当期上期で440億円のプラスとなりました。前年同期が78億円だったことを踏まえると、劇的な増加です。

この大幅な改善について、泉田氏は主に2つの要因を挙げています。1つ目は、純粋に売上と利益が増加したことによる「税金等調整前中間純利益」の増加です。2つ目は、在庫と支払いの高度な管理です。

泉田氏は、棚卸資産(在庫)の増減額が前年同期比で約68億円改善し、仕入債務の増減額が約198億円改善しているデータに触れ、次のように分析します。

「在庫のコントロールがうまくいって、債務の支払いをうまくコントロールすることで(中略)変化としてそこは貢献しているかなと思います」

通常、売上が伸びればそれに伴って在庫も増えがちですが、良品計画は売れ筋を見極めて在庫の増加を抑えつつ、仕入先への支払いのタイミングを適切に管理する「キャッシュマネジメント」を機能させています。

これが、手元の現金を大きく増やす結果につながりました。

2.2 投資活動によるキャッシュフロー:158億円の支出

将来の成長のための投資(店舗の出店や設備投資など)を示す投資CFは、158億円のマイナス(支出)となりました。前年同期の225億円のマイナスと比べると支出額は減っていますが、依然として積極的な投資を続けていることがわかります。

ここで重要なのが、営業CFと投資CFを足し合わせた「フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)」です。

前年同期はマイナス147億円でしたが、当期はプラス282億円へと大きく黒字転換しました。つまり、出店などの成長投資を行っても、なお手元に十分な現金が残る強固な財務体質になっているということです。

2.3 財務活動によるキャッシュフロー:173億円の支出

資金の調達や返済、株主への還元を示す財務CFは、173億円のマイナス(支出)となりました。

前年同期はプラス(調達)でしたが、当期は手元に潤沢な現金があるため、短期借入金(約47億円)の返済を進めるとともに、株主への配当金の支払い(約78億円)を増やしています。

結果として、これらのCFをすべて合算しても、良品計画の現金残高はこの半年間で176億円も増加しました。

泉田氏は「現金が増えているので増配したけれども、まだ余裕はある」と、同社の資金繰りの健全性を高く評価しています。

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