2. 2026年度は国民年金が1.9%増、厚生年金2.0%増

公的年金の金額は、賃金や物価の変動を踏まえて毎年度見直されます。2026年度の年金額は、法律の規定により2025年度と比較して、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げとなりました。

【令和8年度の年金額(月額)の例】

国民年金(老齢基礎年金満額・1人分):7万608円
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)23万7279円

厚生労働省によると、2026年度の老齢基礎年金の満額は月額7万608円、標準的な夫婦2人分の厚生年金額は月額23万7279円となっています。

上記の厚生年金額は、平均的な収入で40年間働いた会社員(男性)と配偶者の老齢基礎年金を合わせたモデルケースです。すべての人が同じ金額を受け取れるわけではない点に注意が必要です。

また、自営業者など国民年金のみに加入してきた人の場合、受給額は満額で月7万円ほどです。家賃や食費、光熱費、通信費などを考えると、国民年金だけで生活費をまかなうのは簡単ではありません。

つまり、国民年金のみに加入してきた人の場合、受給額が月15万円に届くのは難しく、厚生年金がある人でも、現役時代の給与や加入期間などに左右されることがわかります。

3. 厚生年金+国民年金で「月15万円以上」を受給する人はどれくらいいる?

では、実際に厚生年金を受け取っている人のうち、月15万円以上を受給している人はどれくらいいるのでしょうか。厚生労働省の資料より、まずは厚生年金の男女別受給額の平均を確認しましょう。

【厚生年金保険(第1号) 平均年金月額】

  • 全体:15万289円
  • 男子:16万9967円
  • 女子:11万1413円

厚生年金の男女全体の平均月額は15万289円です。なお、この金額には老齢基礎年金も含まれています。

平均額だけを見ると、「厚生年金なら月15万円くらいは受け取れる」と感じるかもしれません。しかし、平均は一部の高額受給者によって押し上げられることもあります。実態を知るには、受給額ごとの人数分布を見る必要があります。

3.1 厚生年金の受給額ごとの人数

それでは、厚生年金の受給額分布を見ていきましょう。受給額ごとの人数は、次のように分布しています。

【厚生年金保険(第1号)年金月額階級別受給権者数】

~1万円 4万3399人
1万円以上~2万円未満 1万4137人
2万円以上~3万円未満 3万5397人
3万円以上~4万円未満 6万8210人
4万円以上~5万円未満 7万6692人
5万円以上~6万円未満 10万8447人
6万円以上~7万円未満 31万5106人
7万円以上~8万円未満 57万8950人
8万円以上~9万円未満 80万2179人
9万円以上~10万円未満 101万1457人
10万円以上~11万円未満 111万2828人
11万円以上~12万円未満 107万1485人
12万円以上~13万円未満 97万9155人
13万円以上~14万円未満 92万3506人
14万円以上~15万円未満 92万9264人
15万円以上~16万円未満 96万5035人
16万円以上~17万円未満 100万1322人
17万円以上~18万円未満 103万1951人
18万円以上~19万円未満 102万6888人
19万円以上~20万円未満 96万2615人
20万円以上~21万円未満 85万3591人
21万円以上~22万円未満 70万4633人
22万円以上~23万円未満 52万3958人
23万円以上~24万円未満 35万4人
24万円以上~25万円未満 23万211人
25万円以上~26万円未満 15万796人
26万円以上~27万円未満 9万4667人
27万円以上~28万円未満 5万5083人
28万円以上~29万円未満 3万289人
29万円以上~30万円未満 1万5158人
30万円以上 1万9283人
※基礎年金月額を含む

上記を計算すると、厚生年金の受給額が月15万円以上の人は約801万人で、全体の約49.8%です。つまり、厚生年金を受け取っている人の中で月15万円を超える人は、ほぼ2人に1人ということになります。

10万円台前半から20万円前後までに受給者が多く分布していますが、月15万円を境にすると、15万円未満の人も多いことがわかります。

上記のデータは厚生年金の受給者を対象にしたもので、厚生年金に加入していなかった人まで含めると、月15万円以上を公的年金で確保できる人の割合はさらに低くなると考えられます。