「育児や家事を誰がすべきなのか」についての考え方は時代とともに変わりつつありますが、いまだに女性に集中しやすい傾向が顕著です。

19年にSMBCコンシューマーファイナンス㈱が公表した『30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019』をもとに、子育て世代のリアルについてみていきます。

30代・40代の配偶者がいる人(496人)を対象に「家事や育児の負担が自分に過度に集中していると思うか」という質問をしたところ、「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた人の合計は女性で76.0%に上りました(男女別家事・育児の負担に関する表参照)。

男女別家事・育児の負担(出典:SMBCコンシューマーファイナンスの資料を参考に編集部作成)

この世代で家事・育児が女性に集中している状況がうかがえます。
働くママに家事や育児が過度に集中した場合、「つらい」と感じる人が増えるのは自然なことではないでしょうか。一方、専業主婦のなかにも孤独な子育てに「つらさ」を感じている人は少なくありません。

出産後に仕事を続ける?

出産後に仕事を続けるのか辞めるのかということも女性にとって大問題です。

18年に内閣府男女共同参画局が公表した『「第1子出産前後の女性の継続就業率』及び出産・育児と女性の就業状況について』によると、10~14年の期間において出産後仕事を続けた有職女性の割合は過半数を超えています(第1子出産前後の女性の就業状況に関する表参照)。

第1子出産前後の女性の就業状況(出典:内閣府男女共同参画局の資料を参考に編集部作成)

出産前に就業していた女性の割合は72.2%です。このうちの46.9%(全体の33.9%)が第1子出産前後に退職しています。一方、出産前に就業していた女性の53.1%が就業を継続しており、出産後も働き続ける女性が少なくないことがわかります。

この背景には、「女性が輝く社会」を実現するための国や企業の取り組みが進んでいることがあるでしょう。しかし、本人の希望に関係なく出産後も働かなくてはならない女性も多いかもしれません。

一方、妊娠が発覚して仕事を続けにくくなり、退職する道を選ぶ人もいるでしょう。予定通りにものごとが進まないと「こんなはずではなかった」という「つらさ」を感じがちです。

20代は迷いが多い時期