広島県の山間部に伝わる郷土料理「ワニ刺し」。その名前を聞くと、多くの人が爬虫類のワニを想像して驚くのではないでしょうか。しかし、現地で愛されているこのグルメは、意外な正体を持つ魚料理です。
本記事では、広島県三次(みよし)市を中心に親しまれている「ワニ刺し」の正体と、なぜ内陸部で魚料理として根付いたのか、その歴史と食文化について解説します。
記事の後半では、広島県の観光消費額についても解説します。
1. ワニ刺しの正体は「サメ」だった!
「ワニ刺し」という名前ですが、これは爬虫類のワニのことではありません。
中国地方の山間部では「サメ」のことを「ワニ」と呼ぶ古語があり、古事記の神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」に登場する「和邇(ワニ)」もサメのことだと考えられています。
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その食文化は現代にも根付いており、スーパーの鮮魚コーナーに行くと、「ワニ」というラベルが貼られた刺身やブロック肉が並ぶ光景は地元ではごく日常的なものです。
味わいは、白身でクセがなく、非常に淡泊。噛むほどに旨味が出てくるモチモチとした食感が特徴で、特にネズミザメなどが好まれています。
