広島県の山間部に伝わる郷土料理「ワニ刺し」。その名前を聞くと、多くの人が爬虫類のワニを想像して驚くのではないでしょうか。しかし、現地で愛されているこのグルメは、意外な正体を持つ魚料理です。

本記事では、広島県三次(みよし)市を中心に親しまれている「ワニ刺し」の正体と、なぜ内陸部で魚料理として根付いたのか、その歴史と食文化について解説します。

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出所:農林水産省「うちの郷土料理」

出所:農林水産省「うちの郷土料理」

記事の後半では、広島県の観光消費額についても解説します。

1. ワニ刺しの正体は「サメ」だった!

「ワニ刺し」という名前ですが、これは爬虫類のワニのことではありません。

中国地方の山間部では「サメ」のことを「ワニ」と呼ぶ古語があり、古事記の神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」に登場する「和邇(ワニ)」もサメのことだと考えられています。

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その食文化は現代にも根付いており、スーパーの鮮魚コーナーに行くと、「ワニ」というラベルが貼られた刺身やブロック肉が並ぶ光景は地元ではごく日常的なものです。

味わいは、白身でクセがなく、非常に淡泊。噛むほどに旨味が出てくるモチモチとした食感が特徴で、特にネズミザメなどが好まれています。

2. なぜ海から遠い山あいで「刺身」なのか

海なし県ではないものの、山間部に位置する三次市で、なぜ古くから刺身という生食文化が発展したのでしょうか。それには明確な理由があります。

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出所:農林水産省「うちの郷土料理」

出所:農林水産省「うちの郷土料理」

まずは、日持ちの良さです。

サメの肉は尿素(アンモニアの元)を多く含んでいるため、他の魚に比べて非常に腐りにくい特性があります。冷蔵技術がなかった時代、日本海側(山陰地方)から数日かけて山間部へ運ばれても、鮮度を保ったまま届く数少ない海の幸でした。

次に、貴重な「ハレ」の日のご馳走だったことも理由に挙げられます。

当時、内陸部では塩漬けされた魚が一般的で、生で食べられる魚は非常に贅沢なものとされていました。そのため、祭りや正月といった「ハレの日」を彩る特別なご馳走として、この「ワニ」が重宝されたのです。

3. ポピュラーな食べ方は「刺身」。フライや煮付けも人気

最もポピュラーな食べ方は、「刺身」です。

生姜醤油や、酢味噌でさっぱりと食べるのが地元流。昔からの定番として「エイ、タコ、ワニ」と言われ、この3つが揃えば祭りのご馳走として申し分ないと言われるほどでした。

近年は若い世代を意識して、フライや煮付けなど、現代的なメニューにアレンジされることも多いようです。

このほか、ワニバーガー、ワニの肉まん、ワニ餃子、ワニウインナー、ワニのコラーゲン入りプリン、ワニの軟骨入りクッキーなど、新商品の開発も進んでおり、バリエーションが広がっています。

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出所:フジタフーズ

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4. 広島県の2024年の観光消費額について紹介

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Marnix+Vos/shutterstock.com

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ここからは記事の話題にちなんで、福井県の観光消費額についてご紹介します。

観光消費額とは、旅行者が旅行先で使うお金の合計のことです。宿泊費、飲食費、交通費、お土産代、娯楽費などが含まれ、その地域の経済効果を示す重要な指標となります。

広島県公式ホームページに掲載されている「令和6(2024)年の広島県観光客数の動向について」によると、2024年(令和6年)の広島県の観光消費額は、「5918億円」という結果になりました。

このうち、1人当たりの観光消費額は9141円でした。

広島県には平和記念公園・原爆ドーム・平和記念資料館があり、重要な歴史的遺産として世界中から観光客が集まってきています。また、厳島神社や瀬戸内の島文化なども、高い人気を誇っています。

直近では既存の有名スポットのリニューアルやスポーツ・音楽と連動するイベントツーリズムにも力を入れており、多様な楽しみ方が生まれています。

参考資料

LIMOローカルニュース編集部