たとえば先述したネット証券で働くAさんは「あんたらがお金を取った。すぐに返せ」と言われることがあると言います。資金移動の仕組みや株取引のために拘束していた資金の解放タイミングがわかっておらず、「お金が減った」とか「入っているはずのお金が入っていない」という電話がよく入るのです。
「毎日帳簿をつけているからわかる。○○円足りない」などと主張してくる人も多いのですが、大体は本人の計算ミスであったりします。確かに、お金の増減については少しでもおかしいと思ったら問い合わせをしたほうがいいですし、そういうときのためにまさに金融機関のコールセンターはあるものです。
しかし、その前に自分の取引とお金の流れについてチェックしておかないと、いざ電話して調べてもらったときに説明を聞いてもよくわからなくなってしまいます。いったん自分なりに整理したうえで、納得いかない部分を聞いてみましょう。
ナンパやセクハラ発言をする顧客も
コールセンター業務をしていると、ナンパやセクハラ発言はもはや当たり前のようになってきます。「今日は何色の下着を着てるの?」とか「顔見せてよ、可愛いと思う」などの発言はよくあるもの。このあたりの発言は、多くの電話オペレーターがうまくかわせるところだと思います。それほどよくある発言なのです。
しかし怖いのは「お姉さんはどこで働いてるの?」「お姉さんの声可愛いね、名前何て言うの?」など個人を特定しようとする発言で、中には社員の安全のために苗字は名乗っても下の名前は名乗らなくてよいという決まりがあるコールセンターもあるほど。
筆者が働いていた化粧品のコールセンターでは、毎日電話を数本かけてきては卑猥な言葉をひたすら言い続ける、という顧客がいました。こちらが何を聞いてもそれに対しては答えずに、ただひたすらに卑猥なキーワードを繰り返すのです。
そうした顧客に対しては、各社マニュアルがあったり上司から対応について指示があるようです。筆者も「関係のない話のようなので、電話を切らせていただきます」とこちらから電話を切ってもいいと言われたこともありました。
基本的にコールセンターの担当者が自分から電話を切ることはありません。顧客が終話ボタンを押すのを待つものです。しかし、卑猥な発言を繰り返して業務を妨害する顧客に対しては、そのような対応でOKという指示もありました。コールセンターの電話オペレーターは女性が多いこともあり、こうしたケースが多くなるものなのでしょう。
まとめ
いかがでしたか。どの仕事にも苦労は付き物ですよね。顧客にとって頼りになるコールセンターの存在は、企業にとっても非常に有益なこと。頼れる人がいるというのは私たちがサービスを選ぶ一つの基準にもなります。私たちも毎日の仕事の中で、頼られる人になりたいものですね。
大塚 ちえ