私たちが困ったときにサポートしてくれるコールセンター。私たちはそれを当然のように使っていますが、中で働く人たちには色々と苦労があるようです。そこで今回は、ちょっと困った「あるあるお問い合わせ」を、コールセンターで働く人たちに聞いてみました。

もはやPCのテクニカルサポート?

筆者自身もコールセンターでの勤務経験があり、また様々な業種のコールセンターで働く人に話を聞いた結果を見ると、PC自体の使い方がわからなくて問い合わせをしてくる人が圧倒的に多いのです。

たとえば、ネット証券のサポートセンターで働くAさんのところには、毎日山のようにPCの使い方や設定方法の問い合わせが入ってきます。「ログインできない」という初歩的な問い合わせかと思い、理由を調べようとヒアリングをすすめていくと、そもそもローマ字を打てないとか大文字と小文字の切り替えができないという話はよくあることです。

ウェブブラウザがGoogle ChromeなのかInternet Explorerなのかわからないとか、OSがWindows7なのかWindows10なのかわからない、ということも少なくありません。そのたびにコールセンター社員は、あらゆる方法で電話口の顧客が利用しているものを特定しなければなりません。

もちろん、こうした顧客が自社のサービスをスムーズに使ってもらえるようサポートするのもコールセンター社員の仕事の一つではありますが、中にはサービスを使いきれないだろうと思うほどPCに疎い顧客もいるものです。

自社のアプリケーションをダウンロードしてもらうのも大変で、ログインしてもらうのも大変。そうなると、ログインしてようやくサービス利用を始めてもらえるようになってからも大変なんですね。この手の顧客対応には時間がかかるため、他の顧客の電話が取れなくなってしまうなど、コールセンター社員を日々悩ませているようです。

「で、これはそもそも何ができるんですか?」

IT企業のコールセンターで働くBさんは、顧客が発する言葉にいつもびっくりしてしまうと言います。それは「で、これはそもそも何ができるんですか?」という発言です。

Bさんの会社のサービスはアプリケーションをダウンロードしてサービスの利用を開始するのですが、ダウンロードしてログインするというところでうまくいかずに問い合わせが入ることがあります。

状況をヒアリングしてダウンロードできない原因を究明し、こうしたらうまくいきますと案内してお客さんと二人三脚でダウンロードに成功し、サービスの利用に漕ぎつけるところまではいいのですが、時々先の質問「で、これは何ができるんですか?」をされることがあると言います。

「もちろん、サービスの概要を知って使ってみたいと思い、ダウンロードに困ったという人のサポートをするのも、サービスの詳細を説明をするのもサポートセンターの仕事ではありますが、もっと初歩的な段階で『友人に勧められたからダウンロードしたけれど、そもそもこれは何ができるのか、何をするアプリケーションなのか』と聞かれるとびっくりしてしまう」とBさん。

そういう人に限って、サービス概要を話すと「オレには関係なかったわ」と電話を切ったりするのだそう。「やっぱり利用時にわかりやすいコンテンツを用意していない当社に責任がある」と言うBさんですが、自分にとっても問い合わせ時間が無駄になってしまいますのでサービスの概要くらいは目を通したいものですね。

「おたくがお金を取った」と言う問い合わせ

金融機関のコールセンターによくある問い合わせの一つに、「おたくがお金を取ったんだろう」という類のものがあります。