7. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】長期介護がもたらす資産消耗リスクの実態

認知症に伴う介護は、食事や入浴などの身体的なサポートだけにとどまらず、徘徊への対応や金銭管理の補助など、日常生活全体にわたる見守りが求められる点に特徴があります。そのため、一般的な介護に比べて期間が長期化しやすい傾向があります。

結果として、月々の支出自体はそれほど高額でなくても、5年、10年と長期間にわたって継続することで、累計の負担が大きく膨らむケースも少なくありません。

介護費用を見積もる際には、初期費用などの短期的な支出だけでなく、見守りやサービス利用が長期間続く可能性を前提に考えることが、現実的かつ安全性の高い資金計画につながります。

7.1 見落とせない「家族側の負担」

介護の影響は金銭面だけにとどまらず、家族の生活そのものにも大きな変化をもたらします。

例えば、介護に専念するために仕事を辞める「介護離職」や、通院の付き添い、日常的な世話にかかる時間的な負担などが挙げられます。こうした負担は数値として把握しにくいものの、家計や生活の質に直結する重要な要素です。

将来への備えを考える際には、介護にかかる直接的な費用だけでなく、このような見えにくいコストも含めて、広い視野で検討しておくことが求められます。