「いざ年金生活に入ってみたら、引かれるお金が意外と多くて驚いた」そのような戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。
スーパーでの買い物で値上がりを痛感するたび、「このままの年金だけで本当にやっていけるのだろうか」と不安がよぎる瞬間は誰にでもあるものです。
70歳代を迎え、多くの方が本格的な年金生活に入る中、実はさらにシニア世代の家計にのしかかる「避けられない負担」が増加しているのをご存知でしょうか。
日々の食費や生活費のやりくりに気を配っていても、制度の変更によって医療保険料などの固定費が引き上げられれば、家計へのダメージは避けられません。
本記事では、70歳代のリアルな生活事情や遺産について深掘りする前に、まずはシニアの懐を直撃する「最新の保険料負担」の現実から確認していきましょう。
1. シニアの家計を直撃!令和8年度から「後期高齢者医療保険料」が負担増へ
70歳代の方々、特に75歳以上の後期高齢者にあたる方や、これから75歳を迎える方にとって見過ごせないのが、厚生労働省より発表された「後期高齢者医療制度の令和8・9年度(2026・2027年度)の保険料率」に関する決定です。
令和8年度からシニア世代が支払う保険料について、以下の2つの大きな負担増が見込まれています。
被保険者一人当たりの平均保険料額(医療分)は、全国平均で月額7,989円となる見込みです。これは直近と比べて、月額578円(約7.8%)の大幅な負担増となります。
さらに令和8年度からは、こどもや子育て世帯を社会全体で支えるための新たな制度「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。これにより、高齢者からも被保険者一人当たり月額194円が上乗せして徴収されます。
毎月の支出が数百円上がるだけでも、年間を通して見れば決して小さくない負担となります。物価高に加えて、こうした社会保険料の引き上げや新制度による支出増が待ち受けている中、生活の基盤となる「年金」だけで不自由なく暮らしていくことはできるのでしょうか。
次章のアンケート結果から、70歳代のリアルな生活実感を見ていきましょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ
記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
神奈川県出身。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。中央大学文学部社会学科卒業後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師として全国の個人投資家向けにセミナーを実施。企業型確定拠出年金(企業型DC)だけでなく、個人型確定拠出年金(iDeCo)も含めた制度や仕組み、投資信託の解説や市況などを伝える。フリーランスを経て、フィンテックベンチャーにて広報を担当。
現在は株式会社モニクルリサーチにて金融関連の取材や自社メディアに関するPR業務も担当。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、新NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。(2026年7月11日更新)
監修者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)