株式市場の振り返り-「閑散に売りなし」を如実に示した相場

2016年2月22日(月)の東京株式市場は上昇となりました。日経平均株価は前日比+0.9%上昇、TOPIXも+0.6%の上昇で引けています。また、日経ジャスダック平均は+0.6%の上昇となりました。

日経平均株価は、週末の米国市場が小幅安となったこと、112円台の円高水準となったことなどから、前日比▲115円安の15,851円で寄り付きました。しかし、その後は買いが優勢となり、一時は+220円高まで上昇しました。ただ、前引けにかけてやや軟調になり、前日比+92円高の16,060円で引けています。

後場は円高進行が一服したこと、上海市場が上昇したこと、原油価格相場がやや持ち直したことなどから、日経平均株価は前日比+200円弱高い水準で推移しました。最後はやや下落した結果、+143円高の16,111円で引けましたが、16,000円を回復して終わっています。

東証1部で上昇したのは1,256銘柄、値下がり588銘柄、変わらず96銘柄でした。東証1部の出来高は20億3,748万株、売買代金は2兆581億円(概算)となっています。投資家の様子見のスタンスが強まった結果、売買代金は2兆円割れ寸前の薄商いで終わりました。相場全体は上昇しましたが、相場格言の「閑散に売りなし」を如実に示した形です。

セクター動向と主要銘柄の動き―引き続き内需関連業種が上昇。石油関連銘柄、銀行株が売られる

東証33業種では27業種が上昇し、6業種が下落しました。上昇したセクターは、空運業+4.3%、水産・農林業+2.5%、食料品+2.2%、陸運業+2.0%などでした。一方、最も下落したのは先週末に引き続き鉱業▲4.2%となりましたが、他に鉄鋼▲2.6%、銀行業▲1.4%なども下落しています。内需セクターが買われ、石油・資源セクター、銀行セクター等が売られました。

個別銘柄では、海外のベンチャーキャピタルへの出資を公表したgumi(3903)がストップ高となり、日本航空(9201)などの空運業、マルハニチロ(1333)などの水産農林業、東日本旅客鉄道 (9020)などの陸運業が買われました。一方、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)などメガバンク株、富山銀行(8365)など地銀株が下落し、また国際石油開発帝石(1605)も続落しました。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―閑散相場の中、新興市場への注目度が高まる展開に

週明け22日(月)の東証1部の売買代金は辛うじて2兆円を維持しましたが、2016年に入って以降の最低を記録しました。投資家の様子見スタンスは想定以上に強いようです。やはり、26日から開催される上海G20の推移を見極めたいのでしょうか。22日の海外市場の動向にもよりますが、この流れは23日(火)も続く可能性が高そうです。

ただし、G20の成果に対して勝手に期待を高め、勝手に失望を予想するという“自作自演”が、相場の乱高下要因になる可能性は続きます。閑散相場とは言え、注意が必要でしょう。

こうした状況を反映して22日は結局、特段新しいテーマが出て来なかったと思われます。そのような中、東証マザーズ指数が前日比+3.6%の大幅上昇となりました。10%超上昇した銘柄が17銘柄にも達しており、新興市場への注目度が高まった気配を感じずにはいられません。これも閑散相場の裏返しなのでしょうか。23日もこの流れが続くか注目です。ただし、新興市場に慣れていない人が闇雲に参加すると、大変な大火傷をする危険がありますので、十分ご注意ください。

23日は引き続き、金融セクター、とりわけ、メガバンク株に注目。また、石油・資源関連株でかなり下げがきつかった銘柄は、短期的なリバウンドの可能性もあります。

【2016年2月23日 投信1編集部】

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LIMO編集部