3. 【法改正】遺族年金の「男女差」もついに解消へ
自身の年金額が少ない女性にとって、老後の「命綱」とも言えるのが夫亡き後に受け取る「遺族厚生年金」でした。しかし、今後はこの遺族年金制度においてもシビアな見直しが行われます。
2025年の年金制度改正案では、「女性の就業率の向上などに合わせて、遺族厚生年金の男女差を解消する」ことが打ち出されました。
現在の制度では、こどものいない妻が30歳以上で夫と死別した場合、原則として「無期(一生涯)」で遺族厚生年金を受け取ることができます(一方で、妻を亡くした55歳未満の夫は給付ゼロでした)。
しかし見直し後は男女共通のルールとなり、「60歳未満で配偶者と死別した場合は、原則5年間の有期給付」へと厳格化される方針です(2028年4月から段階的に実施)。
「女性の社会進出が進んだこと」が理由とされていますが、現実問題として女性の年金収入が圧倒的に少ない現状において、「夫が亡くなれば一生遺族年金で暮らせる」という過去の常識は通用しなくなっていくのです。
4. 将来の年金不安をなくす!受給見込額の調べ方
このような時代において、平均データに一喜一憂するのではなく、自分自身が将来いくら年金をもらえるのかを正確に把握しておくことが何より重要です。将来の目安額は、以下の方法で簡単に確認できます。
4.1 ねんきん定期便で確認する
毎年誕生月になると、日本年金機構からハガキなどで送られてきます。
50歳以上の方には「いまの働き方や収入水準が60歳まで続いたと仮定した場合の受給見込額」が記載されるため、老後の生活設計のリアルな指標となります。
4.2 ねんきんネットでシミュレーションする
スマートフォンやパソコンから「マイナポータル」を経由するか、専用のユーザーIDを取得することで利用できます。
最新の年金記録が確認できるだけでなく、今後の働き方や収入の変化を想定した詳細な年金シミュレーションができるため、非常に便利です。
5. まとめ
働き方が多様化し、共働き世帯が主流となった現代では、年金額の男女差や個人差は今後さらに複雑になっていくと考えられます。
特に女性にとっては、法改正によって「配偶者頼み」の老後設計が難しくなる現実も見過ごせません。
まずは「自分の見込額」を把握することが老後対策のスタート地点です。
ご自身の受給見込額と将来の生活費を比較し、もし不足を感じる場合は、早いうちからNISAやiDeCoなどを活用して、自分自身の力で老後に備える計画を立ててみるのもよいでしょう。
参考資料
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)