2026年4月に年金額の改定があり、障害年金の受給額も変わりました。障害年金の申請を検討している人の中には、「障害年金はいくらもらえるの?」「子どもがいるが加算はつくの?」などの疑問を感じる人もいるでしょう。
本記事では、障害年金の受給額の計算方法について解説します。障害等級別や配偶者・子どもの有無による受給額シミュレーションも紹介しますので、年金額を概算できるようになりましょう。
1. 【障害年金】「いくらもらえる?」初診日の加入制度で変わる《年金額と加算》
障害年金は、初診日(障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)に加入していた年金制度や障害等級などによって、受給できる障害年金と加算の種類が異なります。
1.1 初診日に国民年金に加入していた場合
初診日において国民年金に加入した人が受け取るのは、障害基礎年金です。障害等級1級または2級に該当すれば受給できます。また、次の要件を満たす子供がいれば、「子の加算額」を加えた年金が受給できます。
- 18歳の年度末までの子ども(一般的に高校卒業までの子ども)
- 20歳未満で障害等級1級または2級の子ども
本人または子どもの障害等級は、障害年金請求時に提出する診断書などで判断されます。
なお、初診日に20歳未満または60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない人も一定要件を満たせば障害基礎年金を受給できます。
1.2 初診日に厚生年金に加入していた場合
初診日において厚生年金に加入した人が受け取るのは、障害厚生年金です。障害等級1級・2級だけでなく3級に該当していれば受給できます。また、1級・2級の場合、一定要件を満たす配偶者がいれば、「配偶者の加給年金額」が支給されます。
さらに、障害等級1級・2級に該当すれば、障害厚生年金に加えて障害基礎年金や「子の加算額」も支給されます。
1.3 ケース別の受給できる障害年金
ここまで説明した内容を表に表すと次の通りです。要件を満たす配偶者と子どもがいるものとします。
ケース別の受給できる障害年金1/4
各種資料をもとに筆者作成
初診日に厚生年金に加入していて2級以上に該当すると、受給額は高額になります。
ここまで、初診日に加入していた年金制度や障害等級によって受給できる障害年金と加算の種類について解説しました。
次章では、ケース別に受給額をシミュレーションします。
2. 【障害年金】2026年度の改定額!障害基礎1級は年間「105万円超」2級の1.25倍!
障害厚生年金の基本額(加算を除く金額)以外の年金額や加算額は定額です。2026年度の金額(毎年改定)は次の通りです。
- 障害基礎年金1級:105万9125円
- 障害基礎年金2級:84万7300円
- 子の加算額(1人目・2人目):1人当たり24万3800円
- 子の加算額(3人目以降):1人当たり8万1300円
- 配偶者の加給年金額:24万3800円
障害基礎年金1級の金額は、2級の1.25倍です。障害厚生年金1級の金額も、2級の1.25倍です。障害厚生年金2級の基本額(報酬比例)は、厚生年金の加入期間や加入中の年収(正確には標準報酬)によって決まります。計算は複雑であるため、年金事務所などで確認しましょう。
3. 【障害年金】社労士が解説「1級~3級」まで受給額シミュレーションをみる
前述の「障害年金と加算の金額」を当てはめて、ケース別に年金額をシミュレーションしてみましょう。障害厚生年金2級の基本額は120万円(1級は1.25倍の150万円)、初診日の国民年金加入者には要件を満たす子どもが1人、厚生年金加入者には配偶者がいるものとして計算します。
ケース別の年金額シミュレーション4/4
各種資料をもとに筆者作成
上記ケースでは、初診日の厚生年金加入者の年金額は、国民年金加入者の約2倍です。また、障害等級1級・2級と3級で受給額に大きな差があることがわかります。
4. おわりに
障害年金の受給額は、初診日に加入していた年金制度や障害等級によって大きく異なります。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 初診日の国民年金加入者には障害基礎年金、厚生年金加入者には障害厚生年金が支給される
- 要件を満たす配偶者や子どもがいる場合、障害基礎年金には子の加算額、障害厚生年金には配偶者の加給年金額が加算される
- 厚生年金加入者で障害等級1級・2級に該当すれば障害基礎年金も支給される
障害によって就業が困難なケースもあるため、障害年金の金額を大雑把にでも把握して、今後の生活設計を考えましょう。
参考資料
西岡 秀泰