新年度が始まり、桜の便りが聞かれる4月となりました。

一方で、物価の上昇やガソリン価格の高止まりなど、日々の家計管理に頭を悩ませている方も少なくないでしょう。

特に、数年後に定年退職を控える世代の方々にとっては、現在の生活への不安に加え、「老後は年金だけで暮らしていけるのだろうか」「一体いくら老後資金を用意すればいいのか」といった将来への懸念も大きいのではないでしょうか。

この記事では、日本の公的年金制度の基本的な仕組みから、厚生年金と国民年金について、60歳から90歳以上までの年齢別に平均受給額を詳しく解説します。

さらに、高齢者世帯の所得の実態にも焦点を当て、年金だけで生活している世帯がどのくらいいるのか、具体的なデータを用いてご紹介します。

ご自身の将来設計を考える上での参考にしていただければ幸いです。

1. 日本の公的年金制度「2階建て」の仕組みを解説

日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類から成り立っており、しばしば「2階建て」構造と表現されます。

1.1 1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」とは

はじめに、制度の1階部分である「国民年金」について見ていきましょう。

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入する年金制度です。

2025年度における国民年金保険料の月額は1万7510円で、金額は全国一律ですが年度ごとに見直されます。

保険料を40年間すべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます(2025年度の月額は6万9308円)。

未納期間がある場合は、その期間に応じて年金額が減額される仕組みになっています。

1.2 2階部分にあたる「厚生年金」の仕組み

次に、2階部分に相当する厚生年金制度について解説します。

厚生年金は、会社員や公務員のほか、特定の事業所で働くパートタイマーなど、一定の条件を満たした方が加入対象となります。

厚生年金は国民年金に上乗せして加入する形になるため、この構造が「2階建て」といわれる理由です。

国民年金の保険料が定額であるのに対し、厚生年金の保険料は給与水準に応じて変動します。

収入が高いほど保険料も高くなりますが、上限が設定されているため、一定以上の収入がある方の保険料は同額です。

将来受け取る年金額は、厚生年金の加入期間や納付した保険料額によって決まるため、受給額には個人差が生じやすいのが特徴といえるでしょう。