2026年4月を迎え、桜の便りが聞かれる季節となりました。

新年度が始まり、生活環境の変化とともに、将来のお金について考える機会が増える時期かもしれません。

ファイナンシャルプランナーとして活動する中で、多くの方から家計や老後資金に関するご相談をいただきますが、特に「年金」への関心は高いものがあります。

2カ月に一度支給される公的年金について、「2カ月分で60万円、つまり月額30万円以上を受け取れる人は、いったいどのくらいいるのだろうか」といった具体的な質問を受けることも少なくありません。

そこでこの記事では、厚生労働省年金局が公表している最新の統計データを基に、厚生年金の受給額分布の実態を明らかにします。

また、平均額との比較や、年金制度に関してよくある誤解についても、専門家の視点からわかりやすく解説していきます。

1. 厚生年金の支給額、月30万円(2カ月で60万円)以上を受け取るのは全体の1%未満という現実

現在のシニア層が実際に受給している年金額はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照すると、厚生年金(老齢基礎年金を含む)の受給額は、男女合計の平均で月額15万289円となっています。

それでは、受給額ごとの詳しい分布状況を見ていきましょう。

1.1 厚生年金の受給額ごとの割合

平均額だけでなく、どのくらいの金額をどのくらいの割合の人が受け取っているかを知ることで、より実態に近い姿が見えてきます。

  • 月額10万円未満:19.0%
  • 月額10万円以上:81.0%
  • 月額15万円以上:49.8%
  • 月額20万円以上:18.8%
  • 月額20万円未満:81.2%
  • 月額30万円以上:0.12%

このデータから、2カ月に一度の支給額が60万円、つまり月額換算で30万円以上になる受給者は、全体のわずか0.12%に過ぎないことが明らかです。

平均受給額が15万円台である点を考慮すると、月30万円を超える年金を受け取れるのは、ごく一部の人々に限られる水準だといえます。