物価高騰が続く中、国の『物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金』を活用して各自治体が独自に行う生活支援にも注目が集まっています。
給付金や支援と聞くと「口座に振り込まれる現金給付」をイメージする方が多いかもしれませんね。実際、1万円や3万円などの給付を行う自治体も多いです。
今回は少し趣向を変え、地域経済の活性化も兼ねて「商品券」や「電子ポイント」といった形で支給を行う自治体のケースをご紹介します。
この記事では、東京都内の5つの区(墨田区・江東区・中央区・目黒区・板橋区)が実施している独自の商品券等支給の取り組みをご紹介します。
今回紹介する5区の事例は幅広い層を対象とした施策ですが、自治体によっては「低所得世帯」と限定することも多いです。こうした支援の対象としてよく挙がる「住民税非課税世帯」の基準について、記事後半で見ていきましょう。
1. 現金ではなく「商品券やポイント」! 自治体独自の給付5つの事例
さっそく、東京都の5区をピックアップし、独自の生活応援事業を見ていきましょう。全世帯・全区民を対象とした手厚い施策も多く見られます。
1.1 墨田区:区民生活応援事業
区内の全世帯を対象に、商品券等を配布する事業です。
紙の商品券(全国共通おこめ券9680円分、またはVisaギフトカード1万円分)や、各種デジタル商品券(QUOカードPay、こども商品券e-Giftなど各1万円分)のなかから、希望するものを一つ選択して専用フォーム等から申し込む仕組みになっています。
1.2 江東区:暮らし応援給付事業
江東区独自の支援として、5000円相当の「マイナポイント」または「区内共通商品券(こうとう商店街DEお買い物券)」のいずれかが給付されます。
対象となるのは「江東区に令和8年1月1日時点で住民登録がある」かつ「平成19年(2007年)4月1日以前に生まれた」方です。
対象者あてに案内はがきが郵送されており、マイナポイントと区内共通商品券の両方を受け取ることはできません。
なお、児童手当の受給対象者に対しては、こども(0歳から高校生相当年齢)一人につき2万円の物価高対応子育て応援手当が支給されています。
1.3 中央区:区民の生活応援買物券
全区民を対象に、1人あたり5000円分(500円券10枚綴り)の「区内共通買物・食事券」を配布します。
こちらは事前の申請手続きは不要です。なお、過去の施策とは異なり、今回の物価高騰対策において「おこめ券」の配布は予定されていません。
1.4 目黒区:めぐろみんなの食卓応援サポート
物価高騰対策支援として、区民1人につき3000円分の電子ポイントまたは「目黒区商店街商品券 5000円分」を配布する事業です。
送付される申込書同封のカタログの案内に沿って、オンラインまたは郵送申請する必要があります。
1.5 板橋区:いたばし区民生活応援事業
年齢や所得の制限なく、基準日(令和8年1月1日)時点で板橋区の住民基本台帳に記録されている区民1人あたり、1万円分の「バニラVisaギフトカード(プリペイド型)」を配布します。
1世帯につき1枚、対象人数分の金額が合算チャージされた状態で届きます。
こちらも事前の申請は不要で、4月下旬から7月末にかけて世帯主宛てに順次送付されます。
2. 「住民税非課税世帯等」に限定して支給する自治体もある
今回紹介した5区の事例のように「全区民・全世帯」を対象とする独自の施策もありますが、国や自治体が行う給付金の多くは「住民税非課税世帯」が対象になるケースが少なくありません。
例えば同じ『物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金』を活用した給付でも、江戸川区や世田谷区などは、住民税非課税世帯等に限定して現金を給付しています。
2.1 江戸川区の給付金例
- 住民税非課税世帯:1世帯あたり3万円
- 住民税均等割のみ課税世帯:1世帯あたり1万円
2.2 世田谷区の給付金例
- 令和7年度住民税非課税世帯および均等割のみ課税世帯:1世帯あたり2万円
口座情報がある世帯などは自動で振り込まれますが、確認書や申請書が届く方はご自身で申請する必要がある点に注意が必要です。
住民税非課税世帯とは、その名の通り「世帯に属する全員の住民税(均等割・所得割)が非課税である世帯」のことです。主に以下の条件のいずれかに当てはまる場合、住民税が非課税となります。
非課税になる要件についても知っておきましょう。
3. 住民税非課税世帯とは?
住民税非課税世帯とは、世帯員全員の住民税が非課税である世帯を指します。主な要件は以下のとおりです。
- 生活保護(生活扶助)を受けている方
- 未成年者、寡婦、ひとり親、または障害者で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与収入のみの場合、年収204万4000円未満)の方
- 前年の合計所得金額が、各自治体の定める基準額以下の方(※東京23区で単身者の場合、おおむね前年の合計所得金額が45万円以下、給与収入のみなら100万円以下が目安です)
1と2の条件は全国で共通ですが、3の所得基準額は自治体ごとに異なります。
例えば東京都23区の場合、単身世帯では給与収入の方は年収110万円以下、65歳以上で年金収入のみの方は年金収入155万円以下が目安になります。
65歳以上の年金生活者の方がラインは高いこともあり、高齢者の住民税非課税世帯割合は高くなる傾向にあります。
厚生労働省の令和6年国民生活基礎調査では、住民税課税世帯の年代別の割合は以下のような結果となりました。
- 29歳以下:63.0%
- 30〜39歳:87.5%
- 40~49歳:88.2%
- 50~59歳:87.3%
- 60~69歳:79.8%
- 70~79歳:61.3%
- 80歳以上:52.4%
- 65歳以上(再掲):61.1%
- 75歳以上(再掲):54.4%
住民税が「課税される」世帯の割合が、65歳以上では61.1%。70歳以上から50〜60%ほどに低下しています。特に80歳以上からは約52%にまで低下しており、高齢になるほど住民税非課税世帯の割合が高くなることがわかります。
自分自身の世帯の課税状態が不明の場合は、毎年6月頃にお住まいの自治体から送付される「住民税の決定通知書」や「納税通知書」などで確認できます。
また、急ぎの場合は役所の窓口で「非課税証明書」を有料で取得することでも確認可能です。
4. まとめにかえて
今回は東京都内5区の「商品券やポイント」による自治体独自の支援策と、住民税非課税世帯の基本について解説しました。
国からの現金給付だけでなく、住んでいる地域によってはギフトカードや区内共通商品券といった形で、手厚い独自の支援が行われている場合があります。
申請が必要なものもありますので、もらい忘れを防ぐためにも、お住まいの自治体ホームページや届いた郵便物をしっかりチェックしておきましょう。


