毎月一定額を銀行に預金している方の中には、同じ金額を新NISAで資産運用した場合、将来的な利益はどのようになるのか知りたい方もいるでしょう。
新NISAのような投資商品と銀行預金とではメリット・デメリットに違いがありますが、将来期待できる運用益も異なります。
本記事では、毎月5万円を10年間、新NISAで運用した場合と、銀行預金、中でも定期預金と積立定期預金に預け入れた場合、10年後にどのくらいの利益の差が生じているのかシミュレーションしていきます。
1. 【新NISAvs銀行預金】10年間で生じる差はどのくらい?
新NISAで毎月5万円を10年間積立投資した場合、銀行預金に10年間預けた場合とでは資産額にどのくらいの差が生じるのでしょうか。
銀行へ「定期預金」と「積立定期預金」に預け入れたケースと、10年後の資産額をシミュレーションします。
1.1 新NISAで毎月5万円を10年間積立投資した場合
新NISAで、毎月5万円を10年間、年利3%で運用した場合の10年後の資産額は以下の通りです。
- 投資元本:600万円
- 運用益:97万円
- 合計額:697万円
毎月5万円ずつを積み立てるため、元本は10年間で600万円になります。
年利3%の運用が実現すると運用益は97万円付き、合計資産額は697万円となり、運用開始時のおよそ1.16倍になる計算です。
ただし、実際の資産運用は「価格変動リスク」などが伴います。
1.2 定期預金に600万円を10年間預け入れた場合
定期預金で600万円を10年間、金利0.9%で預け入れた場合の10年後の資産額は以下の通りです。
600万円を10年間、金利0.9%で預け入れた場合の資産額3/5
筆者作成
- 預入金額:600万円
- 税引き前利息:54万443円
- 税引き後利息:43万653円
- 合計額:643万653円
元金600万円に利子が54万443円付きますが、所得税(復興特別所得税を含む)および住民税が20.315%かかるため、税引き後の利子は43万653円となります。
したがって、10年後の資産額は643万653円と計算できます。
1.3 積立定期預金で毎月5万円を10年間預け入れた場合
積立預金で毎月5万円ずつを10年間、金利0.55%で預けた場合の資産額は以下の通りです。
- 元金:600万円
- 税引前利息:約16万8425円
- 税引き後利息:約13万4234円
- 合計額:約613万4234円
元金600万円に利子が約16万8425円付きますが、20.315%の税金が引かれて、手元に残るのは約13万4234円となります。
10年後の資産額は613万4234円です。
1.4 シミュレーションまとめ
新NISA・定期預金・積立定期預金の10年間の運用結果をまとめてみましょう。
新NISA・定期預金・積立定期預金の10年間の運用結果をまとめ5/5
シミュレーション結果をもとに筆者作成
【新NISA】
- 運用益・利子:97万円
- 資産額:697万円
【定期預金】
- 運用益・利子:43万653円
- 資産額:643万653円
【積立定期預金】
- 運用益・利子:13万4234円
- 資産額:613万4234円
シミュレーションの結果、新NISAで資産運用した場合が、もっとも資産額を増やせる結果となりました。
定期預金よりも2倍以上の、そして積立定期預金の7倍以上の運用益が得られる可能性があります。
ただし、この結果は簡略化したシミュレーション条件をもとにしたものであり、実際の運用結果とは異なることにご注意ください。あくまでも一つの目安として参考にしてください。
2. 新NISAと銀行預金の利益に差が生じる要因
新NISAで運用した場合、銀行預金より多くの利益が得られる可能性がありますが、主な理由として、新NISAのメリットである「複利効果」と「運用益の非課税」が考えられます。
2.1 複利効果により利益を再投資できる
新NISAは、運用で得られた利益を再投資することで、「元本+利益」に対して利益が生じる仕組みとなっており、雪だるま式に資産を増やせる可能性があります。
一方、銀行預金で元金継続を選択した場合、元金に対してのみ利益が付くため、複利効果が得られず効率的に資産を増やすことが難しいといえます。
元利金継続であれば複利効果を期待できますが、低金利での預け入れの場合は、大きな利益は得づらいでしょう。
2.2 運用益が非課税になる
銀行預金や一般的な投資商品から得られた利益には、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税として合計20.315%の税金がかかります。
利益がそのまま手元に残るわけではありません。
一方、新NISA口座内で投資した金融商品から得られた利益には税金がかからないため、運用益をそのまま手元に残せます。
例えば、10万円の運用益(利子)が付いた場合、銀行預金では手元に残る金額は約8万円ですが、新NISAであれば10万円を得ることが可能ということです。
こういった新NISAの特徴により、銀行預金よりも利益を得やすい状況になっているといえます。
ただし、金利の下降局面にあってはこの限りではないため、利益が得やすい仕組みである一方、損失リスクも大きくなることに注意が必要です。
3. まとめ
毎月5万円を10年間、新NISAで資産運用した場合と定期預金や積立定期預金として預け入れた場合とでは、10年後に得られる利益に大きな差が生じる可能性があることがわかりました。
新NISAには、複利効果や運用益が非課税という特徴があり、資産を効率的に増やせる仕組みがあるためと考えられます。
ただし、金利によってシミュレーション結果は大きく異なるため、それぞれの金融商品の特徴を理解するとともに、適用金利についても十分に確認のうえ、自分に適した方法を選びましょう。
参考資料
木内 菜穂子