2. 《産業別》で見る平均月給!もっとも高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」
全体の平均月給がわかったところで、次は「産業別(業界別)」の給与水準を見ていきましょう。
給与の高さは、個人のスキルや努力だけでなく「どの業界で働いているか」によっても大きく左右されます。
厚生労働省が発表した「令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査」のデータをもとに産業別の平均月給を見ると、トップとボトムの業界で月額16万円以上ものかなりの差があることがわかります。
2.1 《産業別》平均月給
- 電気・ガス・熱供給・水道業:44万4000円
- 学術研究、専門・技術サービス業:44万300円
- 金融業、保険業:43万7000円
- 情報通信業:40万6000円
- 鉱業、採石業、砂利採取業:38万8300円
- 教育、学習支援業:37万9400円
- 建設業:36万6300円
- 不動産業、物品賃貸業:36万100円
- 卸売業、小売業:34万9100円
- 製造業:33万円
- 複合サービス事業:31万9000円
- 医療、福祉:31万5700円
- 運輸業、郵便業:31万2700円
- 生活関連サービス業、娯楽業:29万5200円
- サービス業(他に分類されないもの):28万4900円
- 宿泊業、飲食サービス業:27万7200円
調査対象の中で、もっとも平均月給が高い産業は私たちの生活インフラを根底から支える「電気・ガス・熱供給・水道業」であり、その額は44万4000円となっています。
全体の平均月給(34万600円)を10万円以上も上回る水準であり、非常に安定して高い給与が得られる業界であることがうかがえます。
インフラ業界は事業の安定性が極めて高く、専門的な技術や国家資格を持つ人材が多く働いていることが、高水準の賃金を維持できる主な理由です。
次いで高い給与水準を誇るのが、トップに肉薄する「学術研究、専門・技術サービス業(44万300円)」です。
これに加え、例年の調査で上位に入る「情報通信業」や「金融業、保険業」などの業界は、高度な専門知識やITスキルが求められる分野であり、企業側も優秀な人材を確保するために高い賃金を提示する傾向があります。
一方で、平均月給が比較的低く出ている産業もあります。たとえば「宿泊業、飲食サービス業」は27万7200円となっており、全体平均を大きく下回る水準となっています。
これらの業界は労働集約型のビジネスモデルであるため、どうしても一人あたりの賃金水準が低く抑えられがちという課題を抱えています。
3. 働き方や企業規模で月給はどう変わる?収入アップのための3つの視点
産業間の違いだけでなく、「雇用形態」や「企業の規模」も私たちの給与を決定づける大きな要素です。
たとえば、正社員・正職員の平均月給に対して、非正規雇用(パートタイマーなど)の時給換算額は男女計で1518円に留まっています。賞与(ボーナス)や退職金、福利厚生の充実度まで総合的に考慮すると、やはり正社員として働く経済的メリットは非常に大きいと言わざるを得ません。
また企業規模で見ても、従業員数が1000人を超えるような「大企業」は平均月給が高く設定されており、中小・小規模企業との間には給与のスタートラインに明確な差が存在します。
では、物価高の波に対抗し、自分自身の収入を少しでも増やしていくためには、どのようなアクションを起こすべきでしょうか。ここでは3つの視点をご紹介します。
3.1 社内でキャリアアップ・資格取得を目指す
まずは現在の職場で昇格や昇進を目指す王道のアプローチです。資格手当が出る会社であれば、業務に関連する専門資格を取得することで、毎月の給料に数千円〜数万円が上乗せされるケースがあります。着実なスキルアップは、結果的に自分の市場価値を高めることにつながります。
3.2 異業種・大規模企業への転職を視野に入れる
前述したように、産業や企業規模によって給与の上限が決まってしまうことは少なくありません。「今の会社ではこれ以上の大幅な給与アップは見込めない」と感じた場合は、より給与水準の高い業界(インフラや専門技術サービスなど)への異業種転職や、規模の大きな企業へのステップアップ転職を検討するのも一つの有効な手です。
3.3 投資を活用して「お金に働いてもらう」仕組みを作る
本業の月給を急に増やすことが難しい場合でも、資産運用を取り入れることで実質的な手取り資産を増やすことは可能です。新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などの非課税制度を活用し、毎月の給料の一部をコツコツと投資に回すことで、10年後、20年後の長期的な資産形成が実現します。
4. 世間のリアルな給与を知り、将来のマネープランを見直そう!
本記事では、厚生労働省の最新データをもとに「男女別の平均月給」と「産業別の平均月給」について詳しく解説してきました。
日本の平均月給は過去最高の34万600円となり、男性が約37万3000円、女性が約28万6000円です。男女の格差は過去最少まで縮小しており、産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業」がトップを走っています。
こうした世間のリアルな平均値を知ることは、単なる知識のインプットにとどまらず、ご自身の現在のキャリアや収入を客観的に評価する良いきっかけとなります。
もしご自身の給与が平均より低かったとしても、他人と比べて焦る必要はありません。それを「今後のキャリアを見直すチャンス」と捉え、スキルアップや転職、あるいは資産運用などのアクションへ繋げていくモチベーションに変えることが何よりも大切です。
日々の生活費を無理なくコントロールしながら、着実に資産を築いていくために。まずはご自身の給与明細をしっかりと見直し、将来に向けたマネープランをじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料
苛原 寛
