新年度を迎え、家計やライフプランの見直しに取り組む人も多いでしょう。
老後の資金計画においては、年金の基本的な仕組みやそれぞれの受給見込額を正確に把握することが第一歩となります。
今回は公的年金の仕組みや最新の年金額に加え、標準的な夫婦世帯で受け取れる年金額やその根拠などを詳しく解説します。
1. 公的年金は2階建て構造!基本的な仕組みをおさらい
まずは、日本の公的年金制度について改めて確認しましょう。公的年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建て構造です。
1階部分:国民年金(基礎年金)
- 20歳以上〜60歳未満の全国民が対象
- 保険料は定額
- 40年間すべて保険料を納付した場合の支給額は満額で月7万608円(2026年度時点)
2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員が対象
- 保険料は定率
- 年金額は現役時代の収入や加入期間により異なる
会社員や公務員として働いていた人は、国民年金と厚生年金の両方を受け取ることになります。
また、年金支給日は「偶数月の15日」です。
次回の年金支給日である4月15日には、2月分・3月分がまとめて振り込まれます。
2. 2026年度の年金額はいくら?最新データをチェック
厚生労働省によると、2026年度の年金額は以下のとおりです。
- 国民年金の月額(満額・1人分):7万608円
- ※昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合。昭和31年4月1日以前生まれの方は月額7万408円
- 厚生年金の月額(標準的な夫婦世帯):23万7279円
厚生年金の月額で示されている「23万7279円」とは、夫の国民年金+厚生年金と、妻の国民年金の合計額です。
年金支給日には2ヶ月分がまとめて振り込まれるため、1回の支給日に受給する金額は夫婦合わせて「47万4558円」となります。
3. 1回の年金支給日に「約47万5000円」を受け取る「標準的な夫婦世帯」とは?
ここからは、1回の年金支給日に約47万5000円が支給される「標準的な夫婦世帯」の条件について確認していきましょう。
厚生労働省が示す標準的な厚生年金額(夫婦2人分の国民年金を含む)は、以下のような夫婦世帯が前提です。
- 夫:会社員や公務員として平均的な収入(賞与含む月額換算で平均標準報酬45.5万円)で40年間就業
- 妻:専業主婦やパートなどで厚生年金の加入歴なし
上記の条件では、夫は厚生年金+国民年金を、妻は国民年金のみを受け取ることになります。
2026年度の年金額では夫婦合わせて月額23万7279円、2ヶ月分で「約47万5000円」が支給されます。
ただし、実際の年金の手取り額は、所得税や住民税などが天引きされた金額となる点に注意が必要です。
年金の手取り額や税金額は、毎年6月上旬ごろに届く「年金振込通知書」にて確認できます。
4. みんなはいくらもらってる?シニア世帯のリアルな年金額
では、令和のシニア世帯は実際にどの程度の年金を受け取っているのでしょうか。
本章では、厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、厚生年金と国民年金の平均月額を確認します。
4.1 【厚生年金】平均年金月額
〈厚生年金の平均年金月額〉
- 全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
※国民年金部分を含む
厚生年金の平均年金月額は、男性が約17万円、女性が約11万円です。
厚生年金の支給額は現役時代の収入や加入年数などによって異なるため、個人差が開きやすいのが特徴です。
4.2 【国民年金】平均年金月額
〈国民年金の平均年金月額〉
- 全体:5万9310円
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
国民年金の平均年金月額は男女ともに約6万円であり、厚生年金ほど大きな差はありません。
5. 夫婦の合計年金月額を「働き方別」で比較
先に紹介した「標準的な夫婦世帯で約47万5000円」という年金額は、会社員として40年間就業した夫と、専業主婦などで厚生年金の加入歴がない妻の世帯を想定したものでした。
夫婦の年金受給額は、それぞれの働き方によって大きく異なります。
ここでは、厚生労働省のデータが示す平均年金月額をもとに、夫婦の働き方別の年金額をチェックしてみましょう。
ケース1:夫婦ともに会社員または公務員として働いていた場合
- 夫の厚生年金月額:16万9967円
- 妻の厚生年金月額:11万1413円
- 夫婦の合計年金月額:28万1380円(1回あたりの支給額56万2760円)
ケース2:夫婦ともに自営業者(厚生年金の加入歴なし)として働いていた場合
- 夫の国民年金月額:6万1595円
- 妻の国民年金月額:5万7582円
- 夫婦の合計年金月額:11万9177円(1回あたりの支給額23万8354円)
上記2つのケースを比較すると、夫婦の年金月額には16万円以上の差があります。
夫婦ともに国民年金のみを受け取る場合、毎月約12万円の年金で生活しなければなりません。
生活費としては不足する可能性が高いため、現役時代から相応の貯蓄をすることや、退職後も働く選択肢を持つことなどが求められます。
6. 将来の年金見込額を把握して老後の資金計画を
今回は、公的年金の基本的な仕組みや、標準的な夫婦世帯における年金額について解説しました。
2026年度の標準的な夫婦世帯の年金額は、1回の支給日に「約47万5000円」であることがわかりました。
しかし、実際の年金額は働き方や現役時代の収入など、さまざまな条件によって異なります。
ご自身の年金額見込額を調べる方法は、以下のとおりです。
- 毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」を確認する
- スマートフォンやパソコンから「ねんきんネット」にアクセスする
まずは夫婦で「いくら年金をもらえるか」を確認し、老後資金について話し合ってみてはいかがでしょうか。



