こうして海外市場で金価格が急騰している中、日本国内の金価格(円建て)はどう動いているでしょうか?

三菱マテリアルが日々公表する金の小売価格を見てみましょう。結論から言うと、国内価格も急騰しており、実質的な最高値に迫る勢いです。国内価格は海外価格と同様、昨年8月に4,554円(1g当たりの税込価格、以下同)の安値を付けた後、緩やかな上昇に転じ、今回6月25日には5,339円の高値を付けました。

(出所)ドル建て価格:LBMA、円建て価格:三菱マテリアル(税込み小売価格)


ただ、この間の上昇率は+17%超であり、海外価格の+21%を下回りました。これは、円高による影響(円換算時の目減り)です。むしろ、円高にもかかわらず、国内の金価格高騰が目立っているとも言えます。

現在の国内金価格は1981年以降の最高値に迫る水準へ

ちなみに、今回の高値5,339円は、2015年1月に付けた高値(5,392円)に迫る水準ですが、この時の高値は1981年以降の最高値でした。つまり、現在の国内金価格はこれに迫っているわけで、これだけを見ても足元の急騰ぶりが分かります。

なお、国内金価格の過去最高値は、当時のソ連によるアフガニスタン侵攻で国際情勢が緊迫化した1980年初頭の約6,500円(消費税無し)という、今振り返っても途方もない価格です。

円高にもかかわらず国内金価格は急騰、その要因は?