3. 実家をトラブルのもとにしないための対処法3つ
実家の相続がトラブルの原因にならないようにするには、以下の3つについておさえておきましょう。
- 家族で早めに意思決定をしておく
- 売却や空き家バンクへの登録をする
- 相続土地国庫帰属制度を使う
各対処法について解説します。
3.1 家族で早めに意思決定をしておく
理想的な対処法は、早いうちから家族で実家の相続について話し合っておくことです。相続が発生してから協議を始めると、兄弟や親族間で「誰が家の管理を引き継ぐのか」「固定資産税や維持費は誰が支払うのか」といったことで意見が対立し、関係悪化を招きます。
まずは実家を残すのか取り壊すのか、親の意向を確認しておきましょう。そのうえで、相続人になり得る家族全員で誰が管理するのか協議するのが望ましいです。必要に応じて、遺言書を作成してもらい、協議内容を書面に残しておくことも検討しましょう。
あらかじめ家族としての方向性を定めておくことで、トラブルを回避しましょう。
3.2 売却や空き家バンクへの登録をする
相続後の実家に誰も住む予定がないのであれば、売却を検討するとよいです。建物の価値が落ち切らなければ、売買が成立する可能性は十分考えられます。不動産を手放せれば、維持管理の手間や費用が省けて、トラブルが起きる可能性も低くなります。
売却の際は、以下の要件に該当すれば、譲渡所得が最高で3000万円控除される「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」を利用可能です。
- 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
- 区分所有建物登記がされている建物でないこと。
- 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。
該当する場合は、譲渡所得に税金がかからなくなる可能性もあるでしょう。ただし、2024年1月1日以降に譲渡する場合、相続人3人以上で建物を取得した場合、控除額は2000万円になります。
もし売却が難しいようであれば、自治体などが運営する空き家バンクへの登録も有効です。空き家バンクでは、Web上で売りたい不動産の情報を掲載することで、買い手とのマッチングを待ちます。
無料で掲載できるため、気長に売却を待ちたい場合に適しています。ただし、売却までに時間がかかると、その分固定資産税や維持費が発生し続ける点には注意しましょう。
3.3 相続土地国庫帰属制度を使う
「買い手が見つからないが、自分で管理できる自信がない」という人もいるでしょう。そうした人は、相続土地国庫帰属制度を使いましょう。相続土地国庫帰属制度は、一定額の負担金を支払うことで、土地を手放して国庫に帰属させられる制度です。
負担金は最低20万円からで、宅地については面積に応じて算定されます(※面積に応じて算定されるのは「一部の市街地の宅地」に限られます)。100㎡なら約55万円、200㎡なら約80万円の負担金が必要です。
なお、制度を利用する際は、土地を更地にしなければなりません。建物の解体費用や前述の負担金など、さまざまな費用が発生する点には注意が必要です。
また、権利関係でトラブルがある土地や担保権が設定されている土地は、引き取ってもらえません。実家の解体を予定しており、土地の権利などが明確で、費用を支払える余裕のある人は、活用を検討してみましょう。
