時代をさかのぼってみると、昔は身内みんなで子育てするのが一般的でした。ワンオペ育児が主流となったのは、日本社会(経済)が激変したごく最近のことです。育児初心者ともいえる女性が、子どもを産んで母親になった瞬間から、果たして育児を1人でこなせるものなのでしょうか。ワンオペ育児の問題点について確認しておきましょう。

ワンオペ育児の問題点(1)悩みの解決が難しい

ワンオペで育児をしていると、悩みを的確に解決することが難しくなります。悩みに悩んで沼にはまってしまうこともあると思います。アドバイスもなく協力もなく、現実的には母親1人ですべてを解決しています。本当は誰かの手助けがあれば簡単に対処できるはずなのに、頭がいっぱい。悩みも深くなりがちです。

(2)行き詰まりを感じやすい

育児は一瞬一瞬が待ったなしですので、行き詰まることも多く、育児書の通りには行きません。子どもが飲み物をこぼしたり嘔吐した時も、着替えさせながら片づけ、除菌、洗濯という作業を短時間でこなしていくことになります。直面した時に対処するので精いっぱいで、つい自分を責めがちです。他の大人が手助けしてくれたら、ママの視野も広がり、気持ちもぐっと変えることができるはずなのです。

(3)ストレスがたまりやすい

育児に追われるなかで、誰かに相談しようと思っても簡単にはいきません。各自治体では、児童館などで親子が集まれる場所を用意していますが、保健師さんに相談したいママたちが行列になっていることもあります。また、子どもの様子を詳しく説明してアドバイスを仰ぐのは、けっこう労力も要るものです。なんとか荷物を用意して出かけて行っても、日ごろの疲れもあり、疲労感が募るだけの時もあります。他のママと話す機会もありますが、結局、あいさつ程度で終わってしまったり、既にママ友の輪が出来ていて中に入れなかったり。いつもすぐそばに育児を支えてくれる人がいれば…と、孤独を感じてしまいます。

時にはベビーシッターに頼ってみよう

近くに頼れる人がいない場合は、プロのベビーシッターに頼るのも1つの方法です。短時間でも自由な時間があるとストレスも和らぎます。育児に慣れている人が協力してくれているという安心感も大きいものです。「自分の息抜きのために頼むなんて」とためらう必要はありません。リフレッシュのためにも、ぜひ利用してみましょう。

そして、同じく育児中のママ友も貴重な存在です。なかにはママ友とのトラブルの話も耳に入るかもしれませんが、それはあくまでも一部の事例です。「ママ友がいて助かった」「近隣の情報を教えてもらった」と助かることも多いのです。助け合える仲間がいると心強く感じるはず。いざというときのための人脈は大切なつながりです。

不安が不満に変わる時

女性の育児負担はどうしても重くなりがちです。毎日不安を感じながら、慣れない育児を1人で頑張ることが大きなストレスになります。ワンオペ育児はストレスを発散することが難しく、それを夫にあたってしまうこともあるかもしれません。

専業主婦でも、共働きでも「どうして自分ばかり」と考えてしまうこともあるはずです。

しかし「自分ばっかり大変だ」と思ってしまったら、要注意。精神的にも肉体的にも限界に近い状態にある可能性が高いです。

夫に対する不公平感があるなら、夫婦で話し合う必要があります。家事や育児代行を頼む、夫に早く帰ってきてもらえる日を約束してもらうなど工夫が必要です。

働き方改革関連法も順次施行されています。育休や時短勤務をしているのは女性が多い傾向にありますが、「働き方改革」で男性が育児に参加する時間が増えてくるかもしれません。

「本当はもっと家族と一緒にいたい」と思っている男性は、実は多いのかもしれません。ワンオペ育児は社会問題となっていますが、個人の努力だけではなく社会全体で解消されることを期待したいです。

LIMO編集部