4. 非課税ラインをギリギリ超えてしまった…社会保険料はいくら増える?

年金収入が155万円の場合、住民税非課税世帯に該当し、社会保険料の合計は 7万3717円(介護保険料:5万1480円+国民健康保険料:2万2237円)でした。

では、仮に年金収入が156万円となり、非課税ラインをわずかに超えた場合、負担はどの程度変わるのでしょうか。

ここでも、新宿区の2026年度の保険料率を例に試算します。

年金収入156万円の場合、所得税は引き続き非課税ですが、住民税は課税対象(均等割・所得割)になります。

  • 住民税:合計 8000円
  • 所得割:3000円(年金収入156万円-控除110万円-基礎控除43万円)×10%
  • 均等割:5000円

さらに、社会保険料として次の負担が発生します。

  • 介護保険料:8万7120円

(本人が住民税課税となり、所得段階が「第6段階」へ上がるため)

  • 国民健康保険料:合計 2万3295円

(住民税は課税されますが、所得が低いため「7割軽減」は継続適用されます)

《国民健康保険料の内訳》
・医療分:1万6533円
・支援金分:6120円
・子ども・子育て支援金分:642円

これらを合計すると、年間の負担額は 11万8415円 となります。

非課税世帯だった155万円のケース(負担計7万3717円)と比べると、年金収入がわずか1万円増えただけで、負担は約4万5000円も増える計算になります。

もちろん、これは単純化した試算であり、実際の負担額は自治体や世帯状況によって異なります。

ただし、住民税の課税・非課税の境界をまたぐと、特に介護保険料の優遇がなくなることで負担が一気に増える可能性がある点は押さえておきたいところです。

老後の資金計画では、額面の増減だけでなく、税区分の変化まで含めて検討しましょう。

5. まとめ

住民税非課税世帯とは、世帯全員について住民税の所得割と均等割がともに課されない世帯を指し、判定基準は世帯構成や収入の種類、自治体の級地区分によって異なります。

給与収入か年金収入かでも目安は変わるため、「年収いくらなら非課税か」は一律ではない点に注意が必要です。

特に高齢者世帯では、年金収入が一定水準以下であれば住民税非課税世帯に該当する可能性がありますが、非課税であっても介護保険料や国民健康保険料がゼロになるわけではありません。

実際には、所得や自治体の保険料率に応じて一定の社会保険料負担が生じます。

そのため、住民税が非課税かどうかを確認する際は、税金だけでなく社会保険料まで含めて家計への影響を見ておくことが大切です。

正確な判定や負担額は自治体ごとに異なるため、最終的にはお住まいの市区町村の公表情報で確認しておきましょう。

参考資料

加藤 聖人