4. 潤沢なフリーキャッシュフローと株主還元の余力

本業でしっかり稼ぐ力は、企業の現金の出入りを示す「キャッシュフロー計算書」を見るとさらに明確になります。

泉田氏は前期(2025年3月期)のデータを例に、同社の卓越した資金創出力を解説しました。

まず、本業の営業活動で稼ぎ出した現金(営業キャッシュフロー)は年間で約1873億円に上ります。そこから、将来に向けた設備投資などに使った現金(投資キャッシュフロー)の約620億円を差し引いても、手元には約1200億円の「フリーキャッシュフロー」が残る計算になります。

フリーキャッシュフローとは、企業が事業を維持・拡大した上で、自由に使用できる現金のことです。つまり、バンダイナムコは普通に事業を行っているだけで、毎年1200億円もの現金が積み上がっていく構造を持っているのです。

潤沢なキャッシュフローと株主還元の構造3/3

潤沢なキャッシュフローと株主還元の構造

出所:バンダイナムコホールディングス 決算短信を基にイズミダイズム作成

もちろん、企業はこの現金をただ金庫にため込んでいるわけではありません。

株主への還元として、市場に出回っている自社の株を買い戻して1株あたりの価値を高める「自社株買い」に約350億円、配当金の支払いに約400億円と、合計で約750億円の現金を使用しています。

しかし、これだけ手厚い還元を行っても、まだ十分な余裕があると泉田氏は指摘します。

「1200億円あるから、まだこの自社株買いと配当を出してもお金余ってる状態」

計算上、毎年約500億円の現金が余剰として積み上がっていくことになります。この圧倒的なキャッシュ創出力があるからこそ、今後も継続的な増配や自社株買いといった追加の株主還元が期待できる点も、投資家にとっての大きな魅力となっています。