2. 【バンダイナムコ】なぜ強い?何十年も愛される「強力IP」の秘密
バンダイナムコの業績を語る上で欠かせないのが、「IP(Intellectual Property=知的財産)」の存在です。IPとは、アニメや漫画のキャラクターなどの権利を指します。
決算資料の「IP別売上高」を見ると、バンダイナムコの収益を牽引している「3本柱」が明確に浮かび上がります。
通期の売上見込みでトップに立つのは「機動戦士ガンダム」の2400億円。それに次いで「ドラゴンボール」と「ONE PIECE(ワンピース)」がそれぞれ1400億円と、突出した規模を誇っています。
驚くべきは、これらのIPが数十年前に誕生したものであるという事実です。泉田氏は、長寿IPが今なお莫大な売上を生み出し続けている状況について、次のように分析しています。
「キャラクターIPが何十年も経っても、逆に増えているんだろうけど、売上としてしっかりあって、いろんな人に根付いているというか、好まれている。」
2.1 「親から子へ」受け継がれる巧みな戦略
なぜ、これほど長く人気を保つことができるのでしょうか。
インタビュワーが「ドラゴンボールは初期のシリーズだけでなく、近年でも『ドラゴンボール超』や『ドラゴンボールDAIMA』といった新シリーズが展開されている」と補足すると、泉田氏はそこにバンダイナムコの巧みなビジネス戦略を見出しました。
それは「親から子へ、子から孫へ」とファン層を拡大していく戦略です。
かつて子ども時代にドラゴンボールに熱中した世代が親になり、新しいシリーズを通じて自分の子どもと一緒に再び作品を楽しむ。この循環を生み出すことで、IPの寿命は事実上無限に伸びていくのです。
さらに、バンダイナムコは既存のIPに頼るだけでなく、常に新しいブームを生み出す努力も怠っていません。
決算説明会資料には、現在子どもたちの間で大流行している「ボンボンドロップシール」や、誕生から30周年を迎えてなお新機種が展開されている「たまごっち」、さらには好調なトレーディングカードゲーム(TCG)事業などが紹介されています。
泉田氏は、こうした同社の商品展開力を高く評価しています。
「常にブームを作っているし、1回出したものもちゃんとプロパティマネジメントじゃないけど、IPマネジメントしているんだよね。」
【動画で解説】なぜバンダイナムコは売上1兆円超の巨大企業になれたのか?
2.2 デジタルと体験の好循環
さらに泉田氏が注目するのは、バンダイが持つキャラクターの力と、ナムコが持つテクノロジーの力が掛け合わさることで生まれる相乗効果です。
例えば、人気キャラクターのトレーディングカードをゲームセンターの筐体に読み込ませて遊ぶアーケードゲームなどは、まさに両者の強みが融合したプロダクトと言えます。
「IPと新しい技術を掛け合わせて、ちゃんとハードウェアとして遊べる体験を作っているっていうのが、この会社の付加価値じゃないかな。」
世の中のエンターテインメントがますますデジタル化していく中で、バンダイナムコはデジタルなゲームだけでなく、カードやプラモデルといった「手で触れる実体」を通じた体験を提供しています。
この「デジタル×体験」の好循環こそが、同社のブランド価値を押し上げている最大の要因なのです。

