2. 学生の年金保険料、支払えない場合の救済策「学生納付特例制度」とは
この制度は、所得が一定基準以下の学生が申請することで、在学期間中の国民年金保険料の納付を先送りにできる(猶予される)仕組みです。
2.1 「未納」と「猶予」は全く違う!知っておきたい制度上の大きな差
「どうせ支払えないのだから」と手続きをせずに保険料を未納のまま放置してしまうと、将来的に大きなリスクを背負うことになりかねません。
未納
保険料を納めていない状態のため、万が一、在学中に病気や事故で障害が残ってしまった場合に「障害基礎年金」を受け取ることができません。
猶予(特例承認)
保険料の納付はしていなくても、年金の加入期間としては扱われます。そのため、不慮の事態が起きた際には「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」の受給資格を得ることが可能です。
また、将来受け取る「老齢基礎年金」の受給資格期間(最低10年)にも算入されます。ただし、猶予された分を後から納付(追納)しない限り、将来の年金額そのものは増えない点には注意が必要です。
3. 学生納付特例制度の対象者とは?所得や学校の種類に関する要件を解説
「学生納付特例制度」は多くの学生が利用できますが、対象となる要件を事前に確認しておきましょう。
3.1 対象となる所得基準は学生本人の収入で決まる
この制度は、親など家族の所得額に関わらず、学生本人の所得のみで判断されるのが特徴です。本人の所得が以下の計算式で算出される金額の範囲内であれば対象となります。
128万円 + 扶養親族等の数 × 38万円 + 社会保険料控除等
アルバイト収入の場合、給与所得控除(55万円)を差し引いた金額で計算するため、年収がおおむね「193万円以下」であれば対象になると考えてよいでしょう。
3.2 制度の対象となる学校の種類
- 大学(大学院)、短期大学
- 高等学校、中等教育学校
- 高等専門学校、専修学校
- 各種学校(修業年限が1年以上で、都道府県知事の認可を受けている学校)
- 夜間部、定時制課程、通信制課程も対象に含まれます
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元銀行員/一種外務員資格(証券外務員一種)/LIMOマネー編集部金融ライター
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて後方事務や法人営業部門のアシスタント事務を経験。その後、三井住友信託銀行に転職し、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。
15年以上にわたり金融機関に在籍し、現役世代からシニア層、富裕層まで延べ1000名以上の個人顧客に対し、資産運用コンサルティングや承継対策を提案。表彰歴多数。現在は、株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』にて企画・執筆・編集・監修を幅広く担当。
15年以上の金融機関キャリアに加え、自身も20年以上の投資経験(投資信託・株式・FX・金など)を持つ。金融のプロ・現役投資家・生活者(出産・育児経験)の3つの視点から、年金制度の仕組み、社会保障、NISAや住宅ローン、相続まで分かりやすく解説。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数獲得。【2026年6月29日更新】
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)