3. 純利益2.1兆円へ イラン紛争による利上げ鈍化に警戒
最後に今期(2026年3月期)の業績を確認しましょう。成長は続いており、第3四半期の累計で業務粗利益は前年同期比8.4%増、業務純益は同11.2%増となりました。顧客部門が好調だったことに加え、前期に実施した債券の入れ替えで資金利益が大きく改善しました。
※業務粗利益は信託勘定償却前、業務純益は一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前
一方、経常利益は同3.6%増、純利益は同3.7%増と、業務粗利益や業務純益と比べると低い成長率にとどまっています。持分法適用会社の米モルガン・スタンレーは好調だった一方、株式売却損益の悪化が重荷でした。
なお、通期の見通しは据え置かれています。通期予想は中間決算で上方修正され、従来の2兆円から2兆1000億円へ引き上げられました。予想どおりなら前期比12.7%増となる高い成長が続く計算ですが、第3四半期までの進捗率は86.4%に達しており、達成の確度は高いと考えられます。
株価は国内の金利の行方が焦点となるでしょう。国内は利上げフェーズにありますが、中東情勢の悪化を受け不透明感が増しています。利上げが想定より緩やかなら、収益拡大の思惑がはく落し、銀行株には逆風となるでしょう。投資の際は注意したいところです。
参考資料
- 日本銀行「「量的・質的金融緩和」の導入について」
- 日本銀行「「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入」
- 日本銀行「金融政策の枠組みの見直しについて」
- 日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「平成29年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2019年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 農林中央金庫「2024年度決算概要説明資料」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2025年度中間期決算投資家説明会」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2026年3月期 第3四半期決算短信 〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ「2025年度第3四半期決算ハイライト」
若山 卓也
