2026年3月31日、三菱UFJ銀行など大手5行が4月適用の金利を発表。

  • 三井住友銀行:1.275%
  • みずほ銀行:1.025%
  • りそな銀行:0.950%
  • 三菱UFJ銀行:0.945%

※上記の金利は2026年4月2日の執筆時点のものです。

変動型の最優遇金利がついに1%を突破しました。長らく続いた「超低金利時代」は明確な転換点を迎えています。さらなる利上げも見込まれるなか、「今のうちに100万円でも繰上返済して負担を減らすべきか?」と悩む方も多いでしょう。今回は、住宅ローンについて、仮に100万円を繰上返済した場合の効果と注意点を、元銀行員の筆者が解説します。

1. 住宅ローン「今すぐ繰上返済すべき?」100万円の繰上返済を行うシミュレーション

実際に100万円を繰上返済した場合、返済期間はどれくらい短縮されるのでしょうか。残りの返済期間別にシミュレーションしてみましょう。

<前提条件>

  • 当初の借入金額:4000万円
  • 当初の借入期間:35年
  • 当初の借入金利:1.0%
  • 返済方式:元利均等

<残りの返済期間別・期間短縮効果>

  • 25年→24年1ヶ月(11ヶ月短縮)
  • 20年→19年2ヶ月(10ヶ月短縮)
  • 15年→14年2ヶ月(10ヶ月短縮)
  • 10年→9年3ヶ月(9ヶ月短縮)
  • 5年→4年3ヶ月(9ヶ月短縮)

出所:三井住友銀行「一部繰上返済シミュレーション」

上記結果を見ると、100万円の繰り上げ返済で9~11ヶ月ほど返済期間が短くなり、特に残りの返済期間が長いほど繰上返済の効果が得られることが分かります。

1.1 毎月の返済額を減らす繰上返済もある

繰上返済は、期間を短縮する方法のほかに毎月の返済額を減らす方法もあります。

たとえば、先ほどの例だと毎月の返済額は約11万3000円です。残り15年のときに100万円繰上返済すると、毎月の返済額を約10万7000円まで抑えることができます。

総返済額を減らしたい場合は「期間短縮型」、月々の返済額を減らしたい場合は「返済額軽減型」を選ぶとよいでしょう。

2. 住宅ローン「繰上返済で後悔しないための」注意点

このように、繰上返済は総返済額を減らしたり、返済期間を短縮したりできる効果がありますが、注意しておきたいポイントもあります。

2.1 ①手元資金の確保

まず、手元の現金が減少することで、急な出費に対応できなくなるリスクです。住宅ローンの返済中は、病気・ケガによる入院や住宅の修繕費など想定外の出費が発生するケースも珍しくありません。

繰上返済を行う際は、こうした急な出費に対応できる資金を手元に残しておくことが大切です。

2.2 ②住宅ローンとの兼ね合い

また、繰上返済を行うタイミングにも注意しなければなりません。特に、住宅ローン控除の適用期間中は、繰上返済を行うことで控除を受けられる金額も減少してしまいます。

住宅ローン控除の適用期間中に繰り上げ返済を行う場合は、繰上返済のメリットと税制上のメリットを比較するようにしましょう。

2.3 ③「運用」という選択肢との比較

手元の資金を繰上返済ではなく、資産運用に充てるのもひとつの選択肢です。

たとえば、先ほどの例で残りの返済期間20年のときに繰上返済した場合、期間短縮型だと総返済額を約20万1000円減らすことができます。

残りの返済期間が20年のときに繰り上げ返済した場合2/2

残りの返済期間が20年のときに繰り上げ返済した場合

出所:三井住友銀行「住宅ローン一部繰上返済シミュレーション」

一方、100万円を年利3%で20年間運用した場合、約80万6000円の運用益を得られます。住宅ローン金利を上回る運用ができれば、繰上返済よりも資産運用に充てる方がメリットが大きいといえるでしょう。

ただし、資産運用には元本を下回るリスクもあるため、ご自身のライフプランや住宅ローンの借り入れ条件などと照らし合わせながら検討することが大切です。

3. 住宅ローン「とりあえず繰上返済」の前に立ち止まって考えよう

繰上返済は、返済期間の短縮や総返済額の軽減に効果的な方法です。しかし、手元資金の減少や住宅ローン控除への影響など検討すべきポイントは少なくありません。

「なんとなく早く返したい」という気持ちだけで判断するのではなく、自分のライフプランや家計の状況を踏まえたうえで最適な方法を選ぶようにしましょう。

参考資料

椿 慧理