「世界幸福度報告」(World Happiness Report)というレポートをご存じでしょうか。このレポートは、国連の“持続可能開発ソリューションネットワーク”というチームが2012年から作成しているもので、足掛け8年目のレポートが今年3月にリリースされました(全文はこちらからダウンロード可)。

日本はモノに溢れ、そこそこというよりもかなり住みやすい幸福な国と感じている方がほとんどだと思います。筆者もそう思っていますし、たとえいくら他国の幸福度が高かろうと、そこに移住する気なんてさらさらありません。中国やアジア諸国の台頭もあり、日本の経済的地位は相対的に下がってきていますが、日本の幸福度は他国を凌駕しているはずです。余裕綽々でこのレポートを見ていきましょう。

日本の幸福度ランキングは世界156カ国中58位

いきなりショッキングなデータです。このレポートを読む前までは、日本の幸福度は世界ランキング20位前後、良ければベスト10に入っているかなと楽観していたのですが、期待は全く外れてしまいました。

図表1:世界幸福度報告2019・OECD(経済協力開発機構)加盟国の幸福度ランキング

注:「The World Happiness Report 2019」より筆者作成


全体では世界156カ国中58位、OECD加盟国36カ国中32位です。なんとお隣の韓国よりも幸福度が劣るという結果になっています。先日サッカーの南米選手権(コパ・アメリカ)で、日本はチリに0 - 4で一蹴されてしまいましたが、チリの幸福度は世界26位です。幸福度でもチリに一蹴されてしまいました。

一体どうなっているのでしょう。

ランキングはこのような観点で算出されている

でも心配することはありません。たかがランキング、たかが数字です。それより中身が重要なんだ!と言いたい読者のためにランキングの算出方法を見ていきましょう。