2012年度は44位、2013年度は43位、2015年度は46位、2016年度は53位、2017年度は51位、2018年度は54位(156カ国中)となって、世界160カ国近い中で40位台から50位台後半に後退してきています。
ランキングの低下要因が何かははっきりとはわかりませんが、2013年度と比べると順位が下がっていることもさることながら、配点も6.064ポイントから2019年度は5.886ポイントに低下しています。6.064ポイントというのは2019年度で見ればルーマニア(48位)かキプロス(49位)あたりですので、日本のランキングが落ちたというより、他国の幸福度が上がってポイントも上がり日本が置いてけぼりを食った形になります。
こうしてみると、中進国や後進国の幸福度ランキングが意外と上位に位置しているのは、国の幸福度は経済的尺度だけで測れるものではなく、社会全体の仕組みが人にやさしいかどうかで決まってくるのではないかと推察されます。
決して1人当たりGDPが高くはない中南米のコスタリカ(2019年幸福度12位)、メキシコ(同23位)、チリ(同26位)、グアテマラ(同27位)、パナマ(同31位)などが日本により上位にいるのは、社会が世知辛くなく、食べるものは十分にあり、毎日の生活や食事にはなんとか困らないからでしょう。それぞれの国の食料自給率(穀物自給率/農水省データ2013年)を見ると、コスタリカは16%と日本の28%より低いものの、メキシコ69%、チリ64%、グアテマラ56%、パナマ35%と、この5カ国の平均値は48%と日本の倍近くあり、少なくとも毎日のコメやパン等で困ることはなさそうです。
また、これらの国々はおしなべてユートピア指数(自国はそれほど悪くはないと思う度)が日本より高いというデータが報告書の中にあり、そのため幸福度は相対的に高いと思われます。
他山の石としたいですね。
(注)本コラムは筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織や企業の見解ではありません。また、内容をより簡単にご理解いただくため、細部を要略する場合がありますのでご了承ください。
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