学習指導要領の一部改訂により、2018年(平成30年)4月から子どもの道徳的な心を養うことになりました。文部科学省によれば道徳は「特別の教科」なので数値での評価は行わないし、入学試験で使用されるこもないそうです。あくまでも、「他人の考えをしっかり受け止めている」といった子どもが成長した様子を担任の先生が「励まし、伸ばす」文章を書くのだそうです。

しかし、いったい、ほんとうに「道徳教育」を必要としているのは、誰なのでしょうか。

■道徳心に言葉と論理を与える

大事なことは暗黙の規律として無自覚に抱いている道徳心を意識化することです。もっと簡単に言えば現代は「道徳心」が低下しているので、それを植えつけるべきといった話ではないということです。日本の官僚をテレビで見ていると「丁寧で腰が低い人物」と映り知識や学力が一般人よりも十分にあるのはと思ってしまいます。

しかし元エリート官僚が最近にテレビのワイドショウーを賑わす「事件」を引き起こすのは、ある意味不思議なことではないように思います。どんなに高学歴で広範な知識を持つ人物だとしても、「人はどのように生きるべきか」とかという判断力は知識とは違う別物だからです。

■キレる大人は未発達な前頭前野に問題があるのでは

街中でよくこんな光景を目にすることがあります。人ごみで肩がぶつかった。駅員が謝らない。店員の口の利き方が生意気だ。このような些細なことで激しく怒り暴力沙汰に発展することもあリます。あるいは職場でも仕事が思い通りにいかなかったり、同僚と意見がちょっとくい違った場合のは、ヒステリーを起こし暴言を吐くといった具合です。こういったキレやすくなった原因は子供時代にも原因があるのだろうか。

実は脳には前頭前野という部位があり、これは物事全体を把握したり欲望や感情を抑える働きをしている部分です。問題はこの部分を使えば使うほど発達するのですが、子供の頃にあまり使わないでいると発達しないそうです。ですから子供の頃に我慢や抑制をしないで育ってしまうと、この部分の発育が弱くなるのだそうです。

■自己中心の権利主張が強い「キレる老人」

近年さかんに指摘されているのが「キレる老人」問題です。これは若者よりも高齢者の人口比が多くなっているこばかりが原因ではないように思います。高圧的な態度を取ったり自分の権利だけを強く主張したりする問題です。簡単な話なのですが重要なのは「判断する力」です。誰が困っているのかを判断する理解力が重要なのです。それには前頭前野の機能をスムーズに動かすために脳の中にあるセロトニンという神経伝達物質の欠乏が上げられます。

現代人にはこれが不足しておりキレる人が増える原因になったいると指摘する大学教授もおります。現代人は「疲労」、「ストレス」、「夜型生活」、「運動不足」、「コミュニケーション不足」といった生活は、セロトニン神経を弱らせる環境を作っていると言うわけです。

■キャリア官僚(当時45歳)のツイッター

話は少し古くなりますが(2013年)総務省から復興庁に出向していたキャリア官僚のツイッターが面白いです。福島集会に出向いた際に、「出席し住民からの反発はあまり感じなかったが、相手の知性の欠如に対する哀れみのみ」を感じたとネット上に書いてしまったことです。

それが報じられてしまいその官僚は停職処分を受けたという笑えない話がありました。これなどは前頭前野が不活性であるとから最悪は未発達の状態にあるのが原因だったのではないかと勘ぐってしまいます。前頭前野という部位は脳の中でも最後に成長するそうなので十代の終わりまで発達し続けるのだそうです。なので、最初に発達する動物的な本能(食欲や睡眠欲など)を司る大脳辺縁系などよりも、後でも発達し続けるのだそうです。

■大人が「道徳の基本項目」を身に着けていない