一方で、「子どもが小さいうちは仕方ない」「小さい間くらい育児に集中を」という声もあるでしょう。この「子どもが小さい間」も、2人以上産めば働き盛りの30~40代の間に10年以上ということもあるのです。

「キャリアアップしたい、スキルアップしたい、もっと仕事をしたい」という女性も少なくありません。「子どもも好きだし、仕事も好き」と思うのは、女性も男性も同じはず。しかしなぜか女性が言うと、ワガママと捉えられることも。この意識をまずは変える必要があるのではないでしょうか。

「代わりの誰か」がいなくても働ける仕組み作りを

そもそも男性が休むことなく出社できるのも、仕事に専念できるのも、「子どもや親を見てくれる誰か」がいたから。「代わりの誰か」とは、ほとんどの場合が妻でした。その女性も仕事を持つ現代では、「代わりの誰か」がいなくなり、男性にとっても育児や介護が「自分事」になります。

人生には育児や介護だけでなく、病気やケガも付きもの。これらが男女問わず「自分事」となる現代では、ライフイベントに変化があっても働ける仕組み作りをする必要があります。

そのためにも、まずは「夫婦で協力して乗り越える」意識が先。次いで保育園や病児保育、ファミリーサポートが整う一方で、ベビーシッターの普及なども必要でしょう。

会社の在り方や働き方にも、今後は変化が求められるでしょう。それも次世代が「子どもを産みたい」と思える社会作りには必要不可欠と言えそうです。

宮野 茉莉子