3. 70歳代・夫婦世帯の家計簿。毎月の「赤字」はいくら?
では、実際の支出額はどの程度なのでしょうか。総務省の「家計調査報告(2025年)」から、リアルな収支を紐解きます。
3.1 「70歳代の夫婦世帯」家計収支の目安
- 70〜74歳: 実収入28万7725円 / 支出32万4971円 → ▲3万7245円
- 75歳以上: 実収入25万2798円 / 支出28万23円 → ▲2万7225円
※支出は「消費支出」と「非消費支出」の合計額
※実収入から支出を差し引いた数値と、不足分の額が計算上で一致しないのは、元データにおける項目ごとの端数処理(四捨五入等)の影響によるものです。
3.2 赤字の要因は「削れない固定費」にある
実際の支出内訳を紐解くと、高齢期の家計は現役世代以上に「抗えない支出」で構成されていることがわかります。
毎日の食費や光熱水費といった基礎支出、それに加え、加齢とともに避けられない保健医療費や、年金から差し引かれる税金・社会保険料といった「固定費」が大きな割合を占めています。
これらは日々の工夫で減らせる範囲が極めて狭く、近年の物価高騰がさらに追い打ちをかけているのが現状です。もはや「節約」という精神論だけで乗り切るのには限界があります。
これからの老後生活には、今の生活水準を維持するために「貯蓄をどう計画的に取り崩していくか」という、攻めのライフプランニングが不可欠と言えるでしょう。
著者
ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員(証券外務員一種)/生命保険販売資格
相続診断士、一種外務員(証券外務員一種)、生命保険販売資格を保有。関西学院大学国際学部卒業後、人材業界にて求職者のキャリア支援や企業の採用コンサルティングに従事。その後、ジブラルタ生命保険株式会社に入社し、生命保険販売業務に携わる。現在はファイナンシャル・アドバイザーとして人生設計をサポートし、資産形成から相続までのライフステージに応じた提案を得意としている。お客様からの紹介を通じて、老若男女問わず幅広い世代の人生やお金にまつわる相談経験を待つ。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」で執筆も行う。兵庫県三田市出身。
監修者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)