4. まとめ:花王株はどのような投資家に向いているのか?

ここまで、泉田氏の解説をもとに花王の決算と株価の動きについて見てきました。

花王は、毎年2000億円もの現金を稼ぎ出す強固なビジネスモデルを持ち、原材料高を販売価格に転嫁するマーケティング力も備えた非常に優秀な企業です。

しかし、売上の中心が成長の乏しい日本国内であることや、海外への積極的な投資よりも株主還元を優先している姿勢から、株式市場からは「大きな成長は見込みにくい」と評価され、株価が横ばいになっているのが実態です。

では、花王の株は投資対象として魅力がないのでしょうか。泉田氏は、それは投資家の「好み」や「目的」によって異なると結論づけています。

「株価自体はあまり動かなくて、安定的に少しずつ上がっていって、かつちゃんと配当が増配でもらえるのが嬉しいっていう投資家が向いてるのでは」(泉田氏)

つまり、株価の大幅な値上がり(キャピタルゲイン)を狙って成長株に投資したい人にとっては、花王は物足りない銘柄かもしれません。

しかし、株価の激しい乱高下を好まず、毎年確実に支払われる配当金(インカムゲイン)をコツコツと積み上げていきたい投資家にとっては、花王のような安定感のある銘柄は有力な選択肢になり得るでしょう。

企業がどのような戦略を取り、その結果としてどのような財務数値が現れているのか。そして、それが株式市場でどう評価されるのか。

決算書を読み解くことで、自分の投資スタイルに合った銘柄選びができるようになります。

※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。

【動画で解説】花王の「配当性向」は約59%、株価はなぜあがらない?

5. イズミダイズムとは

イズミダイズムは、元機関投資家である泉田良輔の個人YouTubeチャンネルです。プロの視点で金融や経済に関する様々なニュースの解説や、資産形成に役立つトピックをお届けします。

新NISAの開始やインフレを背景に、個人の資産運用への関心が高まる中、機関投資家と個人投資家の「視点の違い」や、経済ニュースの裏側にある「構造」をロジカルに解説します。

教科書的な知識だけでなく、プロの実体験に基づいた分析を通じて、ビジネスパーソンや個人投資家に役立てていただけるコンテンツをお届けしています。

元機関投資家 泉田良輔のシテンで語る金融と経済の今4/4

出所:Youtubeチャンネル「イズミダイズム」

参考資料

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