5月も半ばを過ぎ、新緑が目にまぶしい季節となりました。4月の年金支給日はすでに過ぎ、次回の支給日を待っている方も多いのではないでしょうか。
次回の公的年金の支給日は2026年6月15日(月)です。この6月の支給分からは、2026年1月23日に厚生労働省が公表した新しい年金額が適用された、4月・5月分の年金が支給されます。
2026年度の年金額は4年連続での増額となりましたが、物価の上昇も続いているため、一概に喜べる状況ではないかもしれません。年金の額面が増えても、物価高に追いつかなければ実質的な生活は厳しくなってしまいます。
この記事では、2026年度における年金額改定の具体的な内容と、次回の6月支給日から受け取る年金額について解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、今後の生活設計を考える上での参考にしてください。
1. 【2026年度版】公的年金の支給日カレンダー!次回の支給日はいつ?
老後の生活を支える公的年金は、受給できる金額はもちろん、いつ支給されるのかを正確に把握しておくことが大切です。
公的年金は、原則として偶数月の15日に、その直前の2カ月分がまとめて指定口座へ後払いで支給される仕組みです。もし15日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の金融機関営業日に前倒しで支給されます。
2026年から2027年にかけての支給スケジュールは以下の通りです。直近の支給日は6月15日(月)で、この日には2026年度の改定額が適用された年金(4月・5月分)が支給開始となります。
- 2026年 2月13日(金): 2025年12月・2026年1月分
- 2026年 4月15日(水): 2026年2月・3月分
- 2026年 6月15日(月): 2026年4月・5月分
- 2026年 8月14日(金): 2026年6月・7月分
- 2026年10月15日(木): 2026年8月・9月分
- 2026年12月15日(火): 2026年10月・11月分
- 2027年 2月15日(月): 2026年12月・2027年1月分
- 2027年 4月15日(木): 2027年2月・3月分
このカレンダーが示すように、年金は2カ月分が一度に支給されるため、奇数月には定期的な収入がありません。計画的な資金管理を心がけることが重要といえるでしょう。
2. 【年金額改定】2026年度は4年連続で増額!厚生年金+2.0%・国民年金+1.9%
厚生労働省は2026年1月23日に、2026年度(令和8年度)の年金額改定率を発表しました。物価や賃金の変動が反映され、4年続けてのプラス改定となっています。
- 厚生年金(報酬比例部分): +2.0%の増額
- 国民年金(老齢基礎年金): +1.9%の増額
2.1 改定後の年金受給額はいくら?モデルケースで見る月額の目安
今回の改定により、モデルケースにおける受給額は以下のようになります。
- 国民年金(満額): 月額 7万608円(前年度から+1300円程度) ※昭和31年4月1日以前に生まれた方は月額6万9108円
-
厚生年金(夫婦2人の標準モデル):
月額 23万7279円(前年度から+6000円程度)
※標準モデルとは、平均的な収入(賞与込みで月額換算45万5000円)で40年間就業した夫と、その期間に専業主婦だった妻という世帯を想定したものです。
「月額約23万円あれば生活できそう」と感じる方もいるかもしれませんが、これは昭和時代の標準的な世帯を想定したモデルケースに過ぎません。ライフスタイルが多様化した現代において、この金額がすべての人に当てはまるとは限らないでしょう。
次の章では、より現実に近い「働き方」別の受給額シミュレーションを確認していきましょう。
3. 厚生年金メイン「ほぼ40年、平均年収約610万円働き続けた会社員」65歳以降に受け取る年金水準はどのくらい?
厚生労働省が年金額改定と同時に公表した「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」は、より現実に即した働き方を反映したデータです。ご自身の経歴に近いモデルケースを探してみてはいかがでしょうか。
3.1 パターン1:会社員として長く勤務した男性の場合
- 想定:平均年収約610万円(月額換算50万9000円)で約40年間就業
-
年金月額の目安: 17万6793円
- 内訳:基礎年金 7万円+厚生年金 10万7000円
3.2 パターン2:自営業・フリーランス期間が長い男性の場合
- 想定:厚生年金への加入期間が約7年と短く、大部分が国民年金の加入期間
- 年金月額の目安: 6万3513円
3.3 パターン3:キャリアを積んだ女性の場合
- 想定:平均年収約427万円(月額換算35万6000円)で33年間就業
- 年金月額の目安: 13万4640円
3.4 パターン4:自営業として働いてきた女性の場合
- 想定:厚生年金への加入期間が約6年と短い
- 年金月額の目安: 6万1771円
3.5 パターン5:専業主婦の期間が長かった女性の場合
- 想定:扶養内でパートタイマーとして働いた期間が長い
- 年金月額の目安: 7万8249円
注目すべきは、同じ40年間働いたとしても、厚生年金への加入の有無によって、将来受け取れる年金額に月10万円以上の差が生じる可能性があるという点です。
特にパターン2・4・5に該当する方は、公的年金以外の収入源を確保することが、より重要になるといえるでしょう。
4. 【平均受給額】厚生年金・国民年金、実際のところ月いくらもらっている?
モデルケースではなく、実際に年金を受給している方々の平均額に目を向けると、よりシビアな現実が見えてきます。
4.1 厚生年金の平均受給月額は約15万円
- 男性平均: 約17万円
- 女性平均: 約11万円
女性の平均受給額が男性よりも低い背景には、過去の賃金格差や、結婚・出産によるキャリアの中断で就業期間が短くなることなどが影響していると考えられます。
分布図からは、女性で最も多い層が「月8万円~10万円」の範囲に集中していることがわかります。
4.2 国民年金の平均受給月額は約5万9000円
令和6年度の満額は約6万8000円ですが、実際の平均受給額は約5万9000円となっています。この差は、保険料の未納や免除の期間があり、満額を受給できない方が少なくないことを示しています。
5. 年金制度の基本!日本の公的年金「2階建て」の仕組みとは
最後に、年金制度の土台となる仕組みについて、基本を簡単に確認しておきましょう。
5.1 1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」
- 対象: 日本国内に住む、原則20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。
- 特徴: 加入者全員が定額の保険料を納め、将来定額の年金を受け取る、制度の土台となる部分です。
5.2 2階部分にあたる「厚生年金」
- 対象: 会社員や公務員などが加入します。
- 特徴: 現役時代の給与(報酬)に比例して保険料と受給額が決まる「報酬比例」の部分です。この2階部分が手厚いほど、老後の生活は安定しやすくなります。
6. まとめ:年金は増額でも物価高が続く…今後の生活設計で意識したいこと
2026年度の年金額が増額されることは一つの良いニュースですが、同時に物価上昇が家計に与える影響も考慮しなくてはなりません。
実際に、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、70歳代の家計では「ゆとりがない・苦しい」と感じる世帯が、二人以上世帯・単身世帯ともに87.7%と、9割近くにのぼることがわかっています。
その最大の理由として、半数以上が「物価上昇」を挙げています。公的年金は生活の基盤として非常に重要ですが、それだけでインフレに対応するのは難しいのが実情です。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の年金見込み額を正確に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。その上で、預貯金や投資、保険などを組み合わせ、将来に備えた資産形成を進めていくことが大切です。
※当記事は再編集記事です。





